次の日、俺は真琴に話を持ちかけた。
そう言って俺は、真琴の小さな両手を握った。
これで、俺の気持ちは全部伝えた。
あとは、真琴次第。
真琴が、切なそうな表情で俺を見つめた。
俺は、真琴の手を離して立ち上がろうとすると
グイッ
真琴が俺に抱きついてきた。
真琴の言葉に、全神経が集中する
心臓が、ドクン‥ドクンと跳ね上がった。
顔が見えないからか
余計に、全身が心臓になったみいになった。
真琴が小さな声で、ポツリポツリと呟いた。
そう、だよね
やっぱ普通はそうなるよね
真琴には、真琴の道がある。
いきなり「公表」なんて言われても
そう簡単に聞き入れられる訳ないよね。
「やっぱりこの話は忘れて」そう言おうとしたら
真琴が俺から少し離れて
俺の目をまっすぐ見た。
いきなり大声を張り上げた真琴に
ビックリして目を丸くした。
俺…夢でも見てんの?
その時の真琴の瞳が真っ直ぐで
もう何があっても絶対に離してやらない。
本気でそう思った。
俺は、真琴を強く抱きしめた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。