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第1話

写真[おもいで]
70
2018/05/29 13:34
「懐かしいわ。あんたにもこんなにかわいい時期があったのね~。」
そう言いながら、母は僕に写真を渡してきた。
黙って受け取り、何枚かめくって見てみる。

あ。

2、3才くらいだろうか。
ソファーのうえに座っている。
いまはなき柴犬のアンダーも一緒だ。
懐かしいなぁ。
僕はアンダーが大好きだった。
とても優しい犬だった。
幼い僕がしっぽを噛んでも、毛を掴んでも、彼女は怒って吠えるでも、噛み付くでもなく、ただ、優しく頬を舐めてくるだけだった。
彼女は僕にとって二人目の母だった。
、、、、、、。
僕の左側にアンダー、右側は、、、。
なぜか、へこんでいる。
まるでだれかが座っているかのようだった。
これは!心霊写真か!
恐怖心よりも、珍しい体験をすることができた、という興奮のほうが大きかった。
「見て、母さん!これ心霊写真じゃない?」
「どれどれ」
意外と落ち着いて写真を見た母は
「たぶんお化けじゃない?あんたなんにも覚えてないの?」
と平然とと言った。
「あんたの友達よ。と・も・だ・ち」
「は?」
僕には意味がわからなかった。

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