後ろにいたのは、さっきの…………
怖い
怖い、どうしよう
口を塞いでいた手が離れる。
……何、コイツ
当たり前でしょ!
本当にうんざり
ガシッ
私の手を掴む
その力が強くて、離せない。
私の話を無視して私を引きずるように歩く。
その先は、暗い路地
痛い…
誰か、助けてよ……
誰?、こいつの知り合い……?
知り合いじゃないの…?
てゆうか、ほんとに誰!この人
掴んでいた手が益々強くなる
グクが男友達を睨む
掴んでいた手が少し緩む
テヒョン君が!?
そんな事言ったの?
危ない!
グクを殴ろうとした
……が。
男友達の手を掴み、
低い声で言う。
…………
ぱっと顔を変え、私の手を取る。
まさにそれは王子様
私は一言、男友達に向かってそう言った。
てか、もう友達じゃないね、
ただの変態
テヒョン君の家に帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!