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第4話

<1-2 片思い進行中>
朝の茶髪男子を避けるようにしてたどりついた最寄り駅。改札から入ろうとすると、予想外の人物と目が合った。そこにいたのは──。
日吉 祐生
日吉 祐生
おはよう、ヒカリ。いっしょに学校いこ?
にこり、と微笑む、幼なじみの日吉祐生ひよしゆうせいだった。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(うっ、祐生ってば今日もかっこいい……!)
祐生を見たとたん、とっさにまぶしいような気がして目をつむりそうになる。
だって祐生は本当にかっこいいのだ!

すこしくせのある黒い髪。おなじ色の瞳が、やわらかい光を宿して私を見つめる。
さわやかで明るくて、いつもやさしい幼なじみ。
ちょっと見上げなきゃいけないくらい背が高いから、私と話すときは少し屈んでくれて。
小首をかしげて微笑む姿は、まるで雑誌のなかから抜けてきたみたいだった。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(祐生が着てると、平凡なうちの高校の制服が一流ブランドに見えちゃうんだよね)
これは私だけの意見じゃなく、クラスの女子全員一致の意見だ。
成績はトップクラスで教え方も最高。祐生に教えてもらうと私の成績も良くなるくらい。
さらに勧誘されて入った生徒会でも活躍していて、教師からも生徒からも信頼されている。
小学校に入る前にお母さんを亡くしてから祐生は家事もやっているのに、本当にすごいなって思う。いちばん近くで見てきた私が言うんだからまちがいない。
かっこよくて、やさしくて、頼りがいがあって、がんばりやで。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(こんなひと、誰でもあこがれちゃうよね)
日吉 祐生
日吉 祐生
ヒカリ?
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
え? あっ
ふしぎそうな顔で祐生に名前を呼ばれた。
考えてみれば祐生を見つけてから、ずっと無言で突っ立ってしまっていたのだ。
あわてて私は「なんでもないよ、ごめん。おはよう、祐生」とあいさつをかえした。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
それにしても祐生、どうしてこんな時間に? 祐生は生徒会の仕事で一本早い電車でしょ
問いかけると、祐生がちょっといたずらっぽい顔で笑った。
日吉 祐生
日吉 祐生
じつはアキラさんが教えてくれたんだ。今日もヒカリを送れないからよろしく、って
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
えっ、それでわざわざ待っててくれたの? ごめん! 気にしなくていいのに
私が言うと、祐生が甘い声で「だーめ」と言って微笑む。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
でも
言おうとして、私は足元の段差につまずいた。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(うわっ、こける──)
バランスをくずした瞬間。

ふわ、と。
身体が浮いたように受けとめられた。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(えっ?)
日吉 祐生
日吉 祐生
ほら、ヒカリひとりだと危ないでしょ?
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
祐生……
祐生の顔が間近にせまる。
気付けば、私の身体は祐生に抱きとめられていた。
きっと私がつまずいたとき、すぐに手をのばしてくれたんだろう。
私がバランスをくずすより早く、的確に。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(反射神経すごいな……!)
おどろく私を祐生がきれいな瞳で見つめて、ささやいた。
日吉 祐生
日吉 祐生
だいじょうぶ。約束したじゃん。────ヒカリのことは俺が守る、って
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(ち、近すぎるし、やさしすぎるよ!!!)
祐生はすぐに離れてくれたけど、心臓がどきどき激しく動いて止まらない。
いや、止まったら困るんだけど、でも違う意味で止まりそうで。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(祐生ってば、ずるすぎる!!)
心のなかで絶叫してしまう。

そう、祐生はずるい。
すごく、すごく、ずるい。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(こんなふうにされたら、好きになっちゃうのは当然じゃない……!)
おかげで私は八年間ずっと、幼なじみの日吉祐生に片思いをしてしまっている。

それは、祐生がミキちゃんに絶交されて泣いていた私を探してなぐさめてくれたから。
恋愛予報のことも、疑わずに信じてくれたから。
お父さんやお母さん、お兄ちゃんにも相談できずにいた〝恋愛予報〟。
話せる相手がいるだけで、とっても気持ちが落ち着いた。
ずっとひとりで不安だったんだ、って気付けた。

気付いたときには、もう恋に落ちていた。
だけど私たちの関係はずっと〝友達〟のまま。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(でも、もうすぐ片思いは終わりにする)
じつは最近、何度も挑戦していることがある。
青空高校に入ることを決めたあたりから持っていた野望。それは。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(文化祭までに祐生に告白するんだ────!)
天野ヒカリ、十五歳。一世一代の決心だった。