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第7話

<1-5 もしかして:呪い>
連続の告白失敗に、さすがの私も二日ほど落ち込んだ。
だが、舐めないでもらいたい。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(一度や二度の失敗くらいで、あきらめたりしない!)
日曜日をむかえた私は、ふたたびやる気に満ちていた。
なにせ文化祭は三週間後にせまっている。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(祐生の彼女になれる確率はかぎりなく低いけど、まずは告白しなきゃ確実にゼロだもんね)
それなら、たとえ0・0000001%くらいであってもつきあえる可能性に賭けてみたい。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(あの花火を、祐生ともう一度見たいから)
覚悟を決めて、私は祐生の家をおとずれる。
呼び鈴を鳴らして名前を名乗ると、すぐに祐生があらわれた。
緊張よりも、今はあせりが先に立つ。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(また何か変なことが起こるまえに、告白しなきゃ!)
「めずらしいね」なんて言って、やわらかく笑う祐生のまえに立ち、呼びかける。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
ゆうせ──
びこん、びこん、びこん!
【晴れ】【大雨】【雷】【雪】【くもり】/【危険・三角関係警報発令中!】

背筋に悪寒が走る。
直後。

空からハトのフンが落ちてきて。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(……え)
びしゃり。
私の肩が、汚された。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
うそおおおおおおおお!
日吉 祐生
日吉 祐生
ヒ、ヒカリ! だいじょうぶ、だいじょうぶだからっ
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(ハトのフンが肩に落ちるとか、そんな偶然ありなの!?)
あまりのできごとに私はパニックになってしまい、祐生があわてて私のカーディガンを脱がせてくれる。だけど、もう、なにも考えられなくて。
泣きたくなった。むしろすこし泣いてしまった。

さすがに、告白なんてできる余裕はゼロ。
というか今日だけは絶対にしたくない! ハトのフンくっつけて告白なんて最悪でしょ!?

……私の告白は、今日も失敗した。

それでもあきらめなかった私は、かなりがんばったと思う。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(こうなったら意地でも告白してみせる!)
決意とともに何度も挑戦した。
途中からは、どきどきする気持ちとか恥じらいなんて考える余裕もないくらいだった。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
祐生、おはよう! あのね──
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
祐生、学食に行く前に聞いてほしいんだけど
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
祐生、生徒会の仕事おつかれさま! ところで
だけど挑戦するたびに、あのいまいましいブザーがびこん、びこんと鳴りだして。

時には、足にけがをした猫が降ってきて。
時には、教壇でつまずいた先生の財布から小銭が降ってきて。
時には、窓の開いた音楽室から楽譜が風にのって降ってきて。

毎回ちょっとした騒ぎになってしまい、あたりまえに告白なんてできる余裕はゼロ。
…………私の告白は、みごとにどれも空回りして失敗しつづけている…………。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
いったい私はどうすればいいのかな……!
昼休み、いつもの図書館受付で、私はぐったりとカウンターに頭を預けていた。
この数日間、がんばりすぎて心が折れそうになっている。
話を聞いてくれていた春奈が、難しそうに眉を寄せた。
三坂 春奈
うーん。なんていうか、さすがに異常だね。ヒカリってば呪われてる
春奈の顔は真剣だ。私をからかっているとは思えない。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(呪い、ねぇ)
思い当たることは、たしかにある。
祐生に告白しようとしたときに限って出てくる〝恋愛警報〟だ。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(どう考えても、あの警報とやらが怪しいよね)
例の警報が解除されないかぎり、祐生には告白できない仕組みになっている可能性がある。
ほかに原因なんて考えられないのだから。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(なら、私のやるべきことは一つだ)
たとえば大雨警報なら、雨雲が消えるのを待つように。
たとえば暴風警報なら、風が弱まるのを待つように。
天野 ヒカリ
天野 ヒカリ
(三角関係とやらを消してみせる────!)
心に決めて、私はこぶしをにぎりしめた。