グサッ
あなたは次々と弱い鬼を倒していく
強い鬼と出会うために
ずっと歩くあなたは耳を澄ます
声が聞こえたのだ
あなたは参戦しようとしたが
カキン
刀が折れた
グサッ
周りを見渡すが見つからない
いい匂い…
あなたは血の匂いを嗅いだ
私は気づいた
この血は鬼のでもなく
弱い鬼に付けられた傷から出た血ではなく
死んだ人間から出た大量の血であると
そこには血のついたお面と
体の一部が落ちていた
さっき一生懸命に戦ってた人の体の一部
私は何も感じたくなかった
師範との約束もあったが
人の死を知りたくなかった
思い出したくなかった
私は記憶を遡る
遡りたくないのに強制的に
血だらけの家族の姿を思い出してしまった
私はいつの間にか気を失っていたらしい
周りには傷だらけの人が沢山いる
私は眠っていただけで目立った外傷はない
誰だろう…
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あの人は誰なのだろう…
でも合格…
嬉しいな
あ!感情は出してはいけないのだった…
静かに…静かに…
ー感情を出すな。思い出したくないことを思い出してしまえば、永遠に過去に捕われてしまう。心を閉ざせ。1人で鬼と立ち向かえ。情を仲間に向けるな。絆を思い出すな。ー
……To be continued
隊士側なら選別は省く(((
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!