第8話

始まりはいつも
42
2018/06/24 12:08
ある晴れた朝

いつもの学校への通勤電車

君と出会ういつもの電車に

向かう足取りはいつも軽い

君の近くに行こうとすると

ちょっと怖くて逃げちゃうな


君の名前も知らず

どこに住んでるのかも知らず

ただただ目で追い続ける

私のことはきっと見えてないんだろうな

それでもいいから

ずっと片思いでいさせてね


そんなある日君は電車を出る時

落し物をしていたんだ

それに気づいて

君に声をかけたんだ

ちょっと恥ずかしかったけど

勇気を出して話したんだ

君は照れくさそうに

"ありがとう"ってね


近づけそうで近づけなかった君に

話すことが出来たんだ

きっとこんなことはないと思っていたのに

これが夢だとしてもいいから

触れられそうで触れられない君に

続けた隠れた思い


そんなある雨の日

君は楽しそうに喋る女性の人

その時思ったんだ

君には付き合っている女性がいたんだと

もう叶わないな


たとえ君がどんな人といようと

君が幸せなら私はそれでいいんだと

雨に打たれながら涙を隠し

胸に秘めたこの思いも一緒に隠して

また次の日を迎えるんだ

また君と目が合ってしまっても

私は笑顔で返すから


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