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第2話

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2023/01/09 13:55
今日は静岡市美術館の企画展に行く。偶然その美術館のCMを見て、気になるので行こうということになったのだ。その時、ようへいくんと共通して気になった絵がある。アルベール・デュボワ=ビエの「冬の景色」という作品。初めてその絵をスマホで見たとき、どこか懐かしい気持ちになった。それは彼もそう思ったようだった。

yh「この絵なんか懐かしい感じがします 」


hj「そうなんすよね。懐かしくて、空が開けて新しい朝が来るような 」
 

yh「わかります。そういえばあの時もこんな朝だった気がします 」


hj「あの時? 」


yh「はじめくんがYouTuber魂見せてくれた時ですよ。あの時のはじめくんは今でも忘れられないですね 」


hj「あの時は、本当にどうなることかと思いました……。ようへいくんがいたからあの動画を出すことができた、そう思っています 」


yh「ありがとうございます。だだ……今考えたらあの時は冷静じゃなかったですね。最善ではなかったし、むしろ良い策とは言えないです。けど……はじめくんが今こうやって楽しそうに動画撮っていること、あとこれは自分のことになっちゃいますが……一緒に仕事ができること、それを考えたらあの冬の朝言ってよかった、少しずつそう思えるようになりました 」

hj「俺もあの冬の朝に決断できてよかった。この『冬の景色』みたいな冬の朝に 」


yh「ふは、『冬の景色』みたいな冬の朝にって、すごくややこしいですね 」


hj「ふふ、ですね 」

hj side
ようへいくんとの会話を思い出しつつ、今まさにそのようへいくんと『冬の景色』を見ている。この絵が夜明けかは知らない。

けどあの時決断した朝は、きっとこの絵のように悩みを、苦痛を明けさせて、歩ませてくれたんだろう。でもそれはようへいくんがいなかったら、あかなかった夜だ。ふとようへいくんと目があう。ニコッとこちらへ向かって笑いかける。俺も彼に向かって笑顔を返す。

2人で行けば明けない夜も明きますね。と、お互いが問いかけあっている、そう思えた。

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