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第1話

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2023/01/09 13:36
hj side
あの動画を出してから数日たった。UUUMをやめるかも、サムネの通り、そう思ったことは一度や二度ではない。有難いことに動画外でのお仕事、テレビ番組の出演やイベントへの出席、案件の依頼など……色々な経験ができて勉強になったし、楽しくはあった。

けど、あまりにもそれが多かったのだ。必然的にメインの動画を撮る時間は無くなり、動画外の仕事に忙殺されていく、そんな日々が続いていた。

久しぶりに静岡に戻ってメインの動画を作れていたある日、手伝いにきていたようへいくんが言葉を用意していたかのように、俺に声をかけてきた。

yh「はじめくん、顔色良くないですよ……? 少し仮眠した方が…… 」


hj「大丈夫です。あとちょっとで出来上がるんで、そしたら少し仮眠したすよ。ありがとうございます 」


yh「あ、そうなんすね……。そういえば! はじめくんって明日東京に戻るっすか……? 」


hj「明日は一日オフですよ。もしかして、畑に出た方が良いすか? 全然行きます! 具体的に何すれば…… 」


yh「オフならゆっくり休んでください……。確かにはじめくんが来てくれたら嬉しいです。だけど、そんな辛そうな顔してまで出てほしくはないです  」


hj「大丈夫……って言いたいっすけど、大丈夫ではないですね……。ここ最近、メインも撮影出来てなくて、もちろん畑にも出れてないんすけど……。動画外の仕事も嫌なわけじゃないです。ただ、俺は動画が撮りたいし、作りたい。このままもし、動画を撮る頻度が減ったら自分がYouTuberであること、本当にやりたいことを忘れてしまうじゃないかって…… 」

hj side
なぜか今まで話せなかった言葉がするすると出てくる。彼は頷きながら話を聞いてくれた。20分ほど話したところで、少し涙ぐんだ自分に気づき、恥ずかしくなる。

hj「ごめんなさい、もう編集しないとですね。よし! あとちょっと頑張り…… 」
 

yh「はじめくん、動画……撮りましょう 」
 

hj「えっ!? 動画? い、今ですか!? 」


yh「無理は承知というのはわかっています。撮りましょう。YouTuberでいたいっていうことは、Twitterでもインスタでもない、YouTubeで伝えるべきだと思います。俺もはじめくんには自分の撮りたいもの撮ってほしいですから…… 」
  

hj「でも……会社が許してくれるか 」


yh「確かに……UUUM側が出すの躊躇う可能性ありますよね。すみません考えが甘かったです…… 」


hj「いや、やりましょう。ようへいくんカメラ用意してもらっても……。あっ、先にうちの母ちゃんに連絡してきます。一応さっきようへいくんに言ったこと母ちゃんにも言ってきますね 」

hj side
母にYouTuberでいたいことを伝えると、「あんたはみんなの期待に応えようとしちゃうからね」と優しく電話口で言い当てられた。母には叶わないなあと思いつつ、数分話したのち「ありがとう」と言って電話を切ろうとする。すると母が「はじめが好きなことやりなさいね 」と声で背中を押してくれた。

アップした動画の反響はそれは凄まじく、UUUMもうちに来て直々に謝ってくれて、メインの動画を優先してくれることを約束してくれた。

動画を上げた次の日改めてようへいくんにお礼を言うと、突発的に言ってしまって申し訳なかったと謝った後、「もっと俺を、俺たちを頼ってください。俺ははじめくんが自分の撮りたいもの撮ってる時が一番……す、良いすから……// 」と言い自分の仕事に戻ってしまった。それから彼の言葉だけでなく、彼自身がより気になるようになり……。とそこからはお察しの通り、アタックして最初は拒否られたが、しつこく伝え続けたら、ようへいくんが根負けして今に至ると言った感じだ。

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