第9話

本当の始まり
天神 翔
花畑…って…ここの…?
雲島 晴
…うん。
天神 翔
晴…が…あの女の子だったの?
雲島 晴
多分、そうなんだと思う。
曖昧あいまいな晴の返事で少し戸惑とまどう。
天神 翔
晴があの女の子だったのなら…
雲島 晴
…?
天神 翔
ずっと言いたかったことがあるんだ。
雲島 晴
言いたいこと…。
天神 翔
晴に対する気持ちなんだけどね…
天神 翔
嫌いでも、大嫌いでもなくて、
好きでもない。
───大好き
その一言を伝えたいのに、口が動かない。
晴が代わりに口を開いた。
雲島 晴
翔の気持ち、わかったよ。
雲島 晴
私も同じ気持ちだから…。
晴は頬を赤らめた。
照れ隠しをするのか、顔を逸らした。
天神 翔
そっ…か…よかった…。
天神 翔
これからは僕が守るから…
何も溜め込まないでね…。
ふと思った。
自分の感情をろくに伝えられなくて、
晴よりも弱いのに、晴を守れるのだろうか。と。
雲島 晴
うん…!
でも、晴は「そんなことない」と言っているかのように、返事をしてくれた。
そして、晴が僕の胸に飛びついてくる。
皆、僕らを照らし、
祝福してくれているかのようだった。
月だけでなく、光に照らされた花々も輝き出す。
でも、1番輝いているのは、
やっぱり、晴だった。
天神 翔
晴、
雲島 晴
ん…なーに?
天神 翔
付き合おう。
雲島 晴
…え?
急なことに、晴はびっくりしただろう。
天神 翔
僕が、晴を…一生支えてあげるから…
晴は、幸せになって、そのパワーで僕を
飽和して下さい。
天神 翔
僕は、必ず幸せにすると誓います。
これが、僕なりの言葉だ。
晴が大好きだって、遠回しに言ってるけど、
意味は変わらない。
それでいいと思ってる。
僕は本気だ。と、真剣な眼差しで晴を見つめる。
雲島 晴
うん…わかった!でも私は、
雲島 晴
翔と支え合うために私のパワーで私達を飽和します!
雲島 晴
その方がいいでしょ?
天神 翔
そうだね。そっちの方が断然いい。
天神 翔
2人で永遠とわに支え会おう。
僕らは微笑んだ。
何よりも輝き、この一瞬ときを誰にも邪魔させない。と。
  
  
  
春の何よりも輝くこの花畑で、
僕らの本当の物語が始まる。