第55話

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2020/09/01 12:48


『神野の件は自分も成長できたと思ってる』

『ずっとずっとお母さんを引きずって何十年生きてきて。家族に迷惑かけないように自分を隠してきた。

おでこの傷も黙ってれば弱い自分が出ないと思って黙ってきた。

でも。それを轟君が全部全部溶かしてくれたの。私のことを知りたいと言ってくれる人がいて、私を助けようとしてくれる人がいた。

だから、私は轟君の抱えてるものを溶かしたかった。』


そう言ってそっと火傷跡に触れる。

『.......私は君の心を溶かせたかな』

轟「.......あぁ。」

『.......ねぇ轟君』

轟「なんだ.......?」

『好きだよ』


驚いて目を見開く轟君。

ずっと待たせちゃったなぁ。


『私に告白してくれた時本当は私も好きだって伝えたかったの。だけどこんな自分がって思っちゃって』


『けど今なら自信もって言えるよ』

轟「涼水。」

『.......?』

轟「俺と付き合ってくれ」

『ッもちろん、!』


夕日が照らす中

私たちの影が重なった。


過去を忘れようとなんてしなくていい。

共に進んでいけばいい。

お父さん。お母さん。消ちゃん。



轟君。沢山の愛をありがとう___。




fin

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