第41話

story37 リクエスト(12)
5,394
2022/05/04 12:25



さとみ目線


自分
はぁ………
ななもり
ななもり
どうしたの?
自分
いや………ジェルに癒してもらおうと思ったら
自分
いつの間にかころんと出かけてた(泣)
ななもり
ななもり
あははっ(笑)



仕事終わりのジェルは疲労に効果抜群なんだよ………

なのに、ころんと出かけちゃって
俺すごい暇


自分
もう………ジェルパワー不足
ななもり
ななもり
なにそれ(笑)
ななもり
ななもり
すぐ帰ってくるよ
自分
んんぅ………



できれば今すぐが良いんですけど………

そう思いながら
俺はゲーム機をセットした


自分
せっかくだし、今のうちにゲームの準備を………



プルルルル………プルルルル………


ななもり
ななもり
ん?
ななもり
ななもり
もしもしころちゃん?
ななもり
ななもり
どうしたの………そんな慌てて
ななもり
ななもり
ジェルくんと買い物してたんでしょ?
ななもり
ななもり
………え































ななもり
ななもり
ジェルくんが………事故に遭った?




































































































俺たちはジェルが運ばれた病院に向かった

向かっている途中で会ったるぅりぃぬも慌てた様子で
るぅとに関しては涙目になっている


るぅと
るぅと
ジェルくん……死んじゃったり、して……ないよね?
自分
バカお前!!生きてるに決まってんだろ!!
るぅと
るぅと
でも………ころちゃんが言うには……結構大きめな車だったらしい、し
るぅと
るぅと
意識不明で………呼吸も…浅かったって………
ななもり
ななもり
考えてる暇はないよ
莉犬
莉犬
そ、そうだよ!
莉犬
莉犬
早く病院に行かないと!



ジェルが死ぬわけない………

死んだりしたらタダじゃおかねぇ!!

でも………心の隅では
そんな“悪夢”を予想する自分がいた

………バカ

バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ!!!!

絶対生きた状態のジェルが病院で待ってるはず!



数十分後



俺たちは
ジェルがいる病院にたどり着いた

一室の前で待っていたのは
俺の相方だった


自分
ころん!!
ころん
ころん
………
自分
ジェルは………手術は………?
ころん
ころん
………



ころんは黙ったまま
床の一点を見つめている

俺がどんなに肩を揺さぶっても
目線は変わらず、ただ水色の髪だけが揺れた


自分
まさか………おい!!
ころん
ころん
ジェルくんは………無事だよ
自分
………!!



やっと声を発した相方の言葉は
ジェルの生存を伝えるものだった

良かった………ん?でも………

じゃあなんで………ころんは俯いてるんだ?


ころん
ころん
………僕のッ、せい…だ……僕が……守ってッ……あげれば………
自分
おい、どうした?
ころん
ころん
僕のせいで……ジェルくんは………グズッ



ころんは大粒の涙を流しながら
床に座り込んでしまった


ななもり
ななもり
ころちゃん?どうしたの?
ころん
ころん
うぅッ……ジェルく…ん……
???
(ガチャッ
先生
あ、ジェルさんの保護者ですか?
莉犬
莉犬
は、はい!
先生
中へお入りください



俺たちは先生に言われた通り
病室の中に入った

そこには、ベッドで上半身を起こすジェルの姿があった


先生
ジェルくん
じぇる
じぇる
ん、んぅ………?
じぇる
じぇる
なぁに…せん、せぇ………?
るぅと
るぅと
ジェルくん!!
じぇる
じぇる
………?



るぅとは包帯だらけのジェルに駆け寄った

だがジェルは、不思議そうな顔で
るぅとのことを見つめる

………ジェルなら、抱きつくなりしそうなんだが

疑問に思った矢先
ジェルは信じられない言葉を発した


じぇる
じぇる
おにいさんたち………だぁれ?
るぅと
るぅと
………え?
ころん
ころん
………



………え、嘘………だろ?


るぅと
るぅと
誰って………るぅとだよ!!るぅと!!
じぇる
じぇる
るー……と?
ななもり
ななもり
ジェルくん………覚えて、ない…の?
じぇる
じぇる
おぼえてない……って?
先生
ジェルくん、この人達はジェルくんのお友達だよ
じぇる
じぇる
おともだ…ち?



先生が説明すると
ジェルは満面の笑みを作って


じぇる
じぇる
じぇる、おともだちいっぱい!



と言った


先生
ころんさんにもお伝えしましたが………ジェルさんは今、頭を強く打ったため記憶喪失になっています
先生
その時は幼児退行されていたためか、「完全な記憶喪失」というよりも
先生
記憶が幼い頃にリセットされてしまった………というようで
先生
……皆さんはジェルさんがいくつくらいの時に出会ったんですか?
ななもり
ななもり
えーっと………19歳、くらいかな
先生
なるほど………おそらく、今のジェルさんは「皆さんに会う前の記憶」しか持っていないので
先生
それで皆さんが分からないのかと………
自分
………



ころんがさっき言ってたのは

「ジェルに大怪我させてしまった」というより
「ジェルの記憶を自分が消してしまった」という意味だったんだろう

それで責任感じてんのか………


ころん
ころん
………
自分
………お前のせいじゃねぇよ
自分
落ち着け………
ころん
ころん
………(コクン



肩を叩きながらころんに言い聞かせると

ようやく小さく頷いた


莉犬
莉犬
あの………ジェルくんの記憶は、戻るんですか?
先生
おそらく一時的なものなので、普通に生活していれば回復すると思いますよ
自分
!!
るぅと
るぅと
よか……った
じぇる
じぇる
じぇる
じぇる
ねぇねぇ、おなまえなんていうの?
自分
え?あぁ………俺はさとみ
自分
こいつがころんで、紫がなーくん
自分
んでお前の横にいるわんわんが莉犬
莉犬
莉犬
よろしくね…ジェルくん
じぇる
じぇる
んと…きいろがるぅとで、ぴんくがさとみ
じぇる
じぇる
むらさきがなぁくんで、みずいろがころん
じぇる
じぇる
あかがりぃぬ………?
莉犬
莉犬
そうだよ〜
るぅと
るぅと
ごめんね………さっきはびっくりさせちゃったね
じぇる
じぇる
ううん!るぅと、あそぶ!
るぅと
るぅと
ふふっ、良いよ
先生
今日から二週間は入院させてあげてください
先生
それと………こちらもずっと付き添ってあげるのが困難な状況なので
先生
どなたか2人はジェルさんと一緒にいてあげて欲しいんですが
自分
どうする?
るぅと
るぅと
じゃあ僕が残りたい!
ころん
ころん
僕も………ジェルくんがこうなったのは僕のせいだし
ななもり
ななもり
じゃあ2人でいいね?
莉犬
莉犬
うん、俺たちも出来るだけ顔出すから
るぅと
るぅと
ありがとうございます



ころん目線


自分
ジェルくん、包帯取り替えるよ
じぇる
じぇる
はぁい
自分
いい子いい子………(ナデナデ



ジェルくんの腕に新しい包帯を巻いて
頭を撫でてあげる


自分
キツくない?大丈夫?
じぇる
じぇる
ううん、だいじょーぶ
るぅと
るぅと
絵本何冊か借りてきたよ〜
るぅと
るぅと
ジェルくんが好きな本あるかな〜?



るぅとくんは絵本をいくつか持ってきて
ベッドの上に並べた

昔馴染みの絵本もあれば
最近できたであろう物語の絵本もある

ジェルくんは興味津々で
絵本の中身をパラパラと見た

すると一冊を取って
「読んで」と言わんばかりの顔で手渡した


るぅと
るぅと
はいはい(笑)
るぅと
るぅと
えーっと(ペラッ
自分
………ちょっと僕夜ご飯買って来る
自分
るぅとくん、何が食べたい?
るぅと
るぅと
適当なもので良いですよ
自分
オッケー



そう言って僕は病室を後にした


自分
………
自分
ジェルくん………記憶、戻らなかったらどうしよう
自分
僕のせいで………ジェルくんが、ジェルくんじゃ無くなったら?
自分
僕のせいで………僕のせいで………
さとみ
さとみ
………おい
自分
うわっ!?
さとみ
さとみ
なぁにぶつぶつへこたれてんだか………
さとみ
さとみ
ほら、差し入れ



相方は僕にビニール袋を渡して
頭を優しく撫でてくれた

ジェルくんみたいじゃん………(笑)


さとみ
さとみ
………ジェルにも言えることだけど
さとみ
さとみ
何歳になっても、別に甘えちゃいけないって訳ではねぇよ
さとみ
さとみ
お前も、辛くなったらちゃんと言え



それだけ言うと
さとみくんはどこかに歩いて行ってしまった

………さすが最年長

大人っぽいとこあんだなぁ


自分
(ガチャッ
自分
ただいま〜
るぅと
るぅと
早かったですね
自分
さとみくんが持ってきてくれて、買う手間が省けた
るぅと
るぅと
なるほど
自分
………ジェルくん寝ちゃったの?
るぅと
るぅと
うん、絵本読み聞かせしたら寝ちゃって
じぇる
じぇる
すぅ………すぅ………
自分
………くふふっ、可愛い(ナデナデ
るぅと
るぅと
起こさないでくださいね?
自分
分かってる分かってる



るぅとくんのそばには
寝息をたてて眠るジェルくんがいた

半分しかめくられていない絵本を片付けて
僕はるぅとくんの前にある椅子に腰をかけた


自分
………
るぅと
るぅと
………ジェルくんね、ころちゃんがいない間
るぅと
るぅと
「ころんって、やさしいおにいちゃんみたい」って言ってたよ
自分
え………
るぅと
るぅと
まだ会ってちょっとしか経ってないのにね(笑)
自分
………くふふ(笑)
自分
ジェルくんらしいな〜



………ちょっとだけ、元気出たかも


るぅと目線



二週間後


自分
ここがお家だよ
じぇる
じぇる
んぅ………?
じぇる
じぇる
おうち………おっきぃ
自分
6人が住んでるし、仕事部屋とかもあるからね(笑)



まだ足の怪我が治りきっていないため
抱っこで家までジェルくんを運んだ

いつもと同じ感覚のはずなのに
まるで別人を扱っているようだった


ジェル兄
………あ、ジェル
じぇる
じぇる
んぅ………ん?
自分
ジェルくんのお兄さん?
ジェル兄
知らせを聞いて駆けつけたんよ
ころん
ころん
あの………すみません、僕のせいで
ジェル兄
いやいや、気にせんでええよ
ジェル兄
悪いのはながら運転したやつや
ジェル兄
………俺のこと、分かるか?
じぇる
じぇる
ん……んぅ………にぃ…ちゃん?
ジェル兄
せやで、災難やったな………(ナデナデ
じぇる
じぇる
にぃちゃん、おっきいね……?
ジェル兄
そーか?(笑)



ジェルくんはお兄さんのことが分かったようで
心なしか安心しているように見える

………ちょっと寂しいな


ななもり
ななもり
おかえり
自分
ただいま〜
ななもり
ななもり
ジェルくん、お家入ろっか
じぇる
じぇる
はぁい
ななもり
ななもり
あ、お兄さんもどうぞ
ななもり
ななもり
お茶とか今用意します
ジェル兄
おぉええんか?



僕はジェルくんを連れて
久しぶりの家に帰宅した


さとみ
さとみ
おかえり〜ジェル
じぇる
じぇる
ただい…ま?
さとみ
さとみ
えらいえらい
さとみ
さとみ
ほら、一緒にゲームでもするか?
じぇる
じぇる
げーむ、する!
さとみ
さとみ
よしころん!久しぶりに一緒にやるぞ!
ころん
ころん
オッケー!
莉犬
莉犬
おかえりるぅちゃん!
自分
ただいま莉犬



僕はジェルくんを下ろして
荷物を適当に置いた

ジェルくんのお兄さんは
さところと一緒にゲームをするジェルくんを眺めながら
なーくんが用意したお茶をぐびっと飲む


ジェル兄
いやぁ………ジェル幸せそうやな〜
自分
ジェルくんって、子供時代甘えん坊でしたか?
ジェル兄
んん………5歳まではあんな感じやったな
ジェル兄
でも小学校に通い始めて………数ヶ月経った時には変わり始めてたな
ジェル兄
あいつ………妙な我慢するから
自分
………
じぇる
じぇる
ふたりって、げーむじょうず!
さとみ
さとみ
だろだろ〜?
ころん
ころん
ちょ!さとみくん後ろ!
さとみ
さとみ
え?あぁぁぁぁ!!
莉犬
莉犬
うるさっ(笑)
自分
ふふっ(笑)



記憶は無いだろうけど
それでもジェルくんは甘えん坊なままなんだなぁ(笑)

………もう我慢しないでね


ななもり目線


自分
はいジェルくん、もうねんねしようね
じぇる
じぇる
んぅ……ふぁぁ…
じぇる
じぇる
なぁくん、いっしょにねんね?
自分
そうだよ〜、ななもりお兄さんとねんね
じぇる
じぇる
なぁくん………あしたもあそぶ?
自分
うん、そのためにもいっぱいねんねして
自分
一緒に遊ぼうね
じぇる
じぇる
うん……なぁくんたち、やさしくて
じぇる
じぇる
おともだちってより………おにいちゃんみたい
自分
そう?
自分
ジェルくんのことが大好きだからね〜
自分
………明日はいろんな所をお出かけしよっか
自分
俺たちの思い出がいっぱいの場所
じぇる
じぇる
おでかけ……するぅ………
自分
おやすみ、ジェルくん(ポンポン
じぇる
じぇる
んぅ……おや…すみぃ………
自分
よしよし………



ジェルくん………寝たっぽい

もうちょっとポンポンしてから俺も寝よっと


じぇる
じぇる
んんぅ………じぇるの…おとも、だち……
自分
………ふふっ、そうだよ〜
自分
俺達はジェルくんのお友達



記憶が無くっても
それは変わらないよ




















































翌日


???
(ゴソゴソ
自分
………ん?
自分
ジェルくん………もう起きたの?
ジェル
ジェル
おん、おはようなーくん
自分
………え?
自分
記憶………戻ったの?
ジェル
ジェル
ん?なんの事や
ジェル
ジェル
それより………今日は何日なん?
ジェル
ジェル
ここ二週間分の記憶あらへんねんけど………
自分
(バッ
ジェル
ジェル
!?
自分
良かった………良かった………
ジェル
ジェル
え、ちょ
ころん
ころん
どうしたの?
ジェル
ジェル
あぁころん………なーくんどうしたん?
ころん
ころん
え………ジェルくん………
ジェル
ジェル
お、おう?
ころん
ころん
………ジェルくん!!(ギュッ
ジェル
ジェル
ってころんもかい!
ジェル
ジェル
………ほんま、なんなん?



子供になっても良いけど
俺たちのこと忘れるのはダメだからね?

“ジェルくん“