少し思い当たることがある。
ーー任務中ーー
目の前に鬼が現れる
鬼の首から血しぶきが上がる
鬼殺隊の服に飛び散ってしまった
ーーーーー湖ーーーーー
水は冷えていて、綺麗だった
がしっ
腰あたりを何者かに掴まれる
暴れて水が辺りに飛び散る
尻に何かが当たる
腰の辺りから白い腕が伸びてくる
両手で胸を荒く触られる
胸が痛い…
茂み辺りから何かが来る
稲荷月を水の上に放り投げる
鬼の首が一瞬の間で切られた
水が赤く濁る
煉獄さんが湖の中に入ってくる
ボロボロと情けないくらいの涙が出てくる
煉獄さんは少し驚いたような顔をしたけど
すぐに優しい顔になった
煉獄さんはぎゅっと強く抱きしめてくれた
すごく…
暖かい
忘れてた
こんなに恥ずかしい姿を煉獄さんに見られた
煉獄さんの腕にかけてあった服を取って
急いで山をおりた
翌日
スっ
煉獄さんの横を通り過ぎる
あの時から3日後
またもや無視して通る
あの時から10日後
そう、僕が無視してたから
煉獄さんを怒らせてしまったんだ
僕もなぜ無視してたのか分からない
ただ…
恥ずかしかったんだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。