朝になると、ホテルにいた。
正直、昨日のことはあまり覚えていない。
宮原さんの相談を聞いて、あなたさんのことを少し話したことぐらいまで。
で、なぜか今、隣には彼女が寝ている。
何があった……?
スマホを見ると、1件の不在着信があった。あなたさんからだった。
はあ……俺は何をやってるんだろう。
「起きましたか?大樹さん。」
「だ、大樹さん?」
「もしかして、昨日のこと覚えてないんですか?」
「え、うん。」
「まあ、いいです。仕事行きましょう。」
1回家に帰り、着替えて会社にいった。
あなたさんには電話をしたが出なかった。
仕事を早めに終わらせて、あなたさんのところへ向かった。
”ピーンポーン”
”ガチャ”
そこにはひどい顔のあなたさんがいた。
「先生!」
「ま、なべくん…?」
「と、とりあえず横になってください!」
あぁ。バカだ。俺は何をしてたんだ!
編集者失格だ。
あなたさんは今にも倒れそう。
こんな状態で1日も?
あなたさんを支えながら横に寝かせた。体がものすごく熱かった。
そうだ、体温計…
体温計はベッドのすぐ横にあった。それと1枚の紙とボールペン。
その紙には、ふにゃふにゃの字で時間と体温が記されていた。
さっきの体温は39.7℃。薬はどこだろう。
「先生?薬はどこですか?」
「ない…びょいんいってないです…」
病院に行ってない!?
こんな熱あるのに!?
「先生、とりあえず病院行きましょう。」
車にあなたさんを乗せて、病院へ向かった。
診察後
薬をもらい、ドラッグストアとスーパーへ向かい、冷却シートや健康に良さそうなものを買った。
「先生、これ飲んでください。」
そして、とりあえず薬を飲ませた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。