第15話

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2019/10/03 07:42
「そういえば、この前の小説は真辺くんの担当になるんだよね?」


「はい、そこまでは。」


なんか安心する。真辺くんのアドバイスとかも取り入れたし。


「あの…そろそろタメでいいですか?」


あ…そうだった。敬語は堅苦しいよね…


「うん!あと、先生なんて呼ばなくていいから…」

「分かった、あなた。」


あなたーー!?ヤバい…


「照れてんの?」


ああーーーー!!


「大樹って呼んでよ。」


「だ、だ、大樹…?」


「何で疑問系?」


「だ、大樹…」


「ふっ。笑笑」


「ちょっと!何で笑うのーー!?」


っていうか、さっきなんか人の気配が……ま、気のせいか。


「可愛いから。」


「(は、恥ずかしい)////」


「また顔赤くなってる。笑」


「もう…」


だ、大樹といると心臓持たなくなりそうだよ…



「ついた。ここが俺の家。」


俺…?大樹が俺っていうの初めて聞いたかも。


築何年だろ?10年ぐらいかな。

まあまあ綺麗な2階建てのアパートだった。


「俺の家は、2階。部屋、汚いから。」


そういって家に入ると、なんか
”The 男の部屋” って感じ。



洗濯物は干してるけど、乾いたのはかごの中でぐしゃぐしゃ。

テーブルの上は郵便物が散乱している。キッチンは綺麗に片付けられていた。


「キッチンは綺麗なんだね。」


「まあね。あんま使わないし、月1で母さん来てて。」


「へぇー!」


「ねぇ、片付けようか?」


「マジで?いいの?」


「うん。」



~片付け終了~


「綺麗になった!ありがと!」


「どういたしまして。」


すると、大樹は何かを取ってきた。


「はいっ!」

「ん?」


大樹の手に握られていたのは、”鍵”だった。

「早いって思われるかもだけど、俺はあなたのこと信じてるから。」


「うん、ありがとう。料理作ったりしてていいの?」


少し夢だった。料理を彼氏の家で作ることが。

「いいよ。帰るの楽しみになるかも。あ、でもLINEしてね?飲み会の日とかあるから。」


そうだよね。忙しいよね…頻度は考えとかないと。


「分かった。」


「さあ、夜ご飯どうする?」

「作るよ?」


いきなりだから引かれるかな。


「じゃあ、よろしく。あるもの何でも使っていいから。」

「うん。」


綺麗に片付けられているキッチンに来て、冷蔵庫の中やあるものをチェックする。


人参にじゃがいも、玉ねぎが見つかった。これは…あれしかない!カレー粉を探すと、中辛があった。


よし、これで作れる!

っていうか、これしか作れない!!



「出来たよー!」

「おお!カレー!?」


「うん。ほら、編集者ってさ、忙しいだろうし…カレーだったら明日でも食べれるかなって。」


「マジで?ありがと。」


その後、大樹は美味しいと食べてくれた。


「片付けはいいよ?俺するから。」


「いいよ。忙しいでしょ?それに、料理は片付け含めてだから。」


「ありがと。」


”ギュッ”


何これ!バックハグっていうやつか!


「ちょ、ちょっと…どうしたの?」


「ダメ?」


ダメなわけないけど…心臓が…ヤバいんです。


「ううん。でも、少し洗いにくいかな。」


「分かった。笑」

「うん。笑」

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