第17話

思いもよらぬ出来事
104
2019/10/03 09:37
『今日、家に行ってもいいかな?』


いつも行くと悪いし、1週間はどうなんだろう?早いかな…?


すると、通知が。


『いいよ。料理、楽しみにしてる👍』


ふふっ。

そんなこと言われると、うれしくてたまらなくなっちゃう!

さーて、何作ろっかなぁー?

んん…。

スーパーで、ミンチを買う。

そう、迷った末、ハンバーグにした。

だって、ハンバーグ嫌いな人なんていないでしょ?

いるかもだけど。



でも、次のために、大樹が好きな料理を聞いておこう。



”ガチャ”


合鍵を使って家に入ると、電気がついていた。

もしかして、大樹が帰ってる?なら、早く作らないと!


リビングのドアを勢いよく開けると…



「あ、あなた…誰?」



え?

40代後半か50代前半ぐらいの女性がいた。


…あ、もしかして…大樹のお母さん!?



気まずい沈黙が少し続き、



「あの、大樹さんのお母様ですか?」


「ええ。」


「すみません!私、大樹さんとお付き合いをさせてもらってます、七瀬あなたと申します。」


「なあーんだぁーー!ビックリしたのよ!
あの子、そんなこと全然話してくれないから…まさか彼女さんがいるなんてねぇーー!」


よかった。フレンドリーそうだし、怒ってなさそう。


「なんか、驚かせてすみません。」


「いいのいいの!あれ?買い物行ってたの?」


「あ、はい。ハンバーグ作ろうかなって思って、ミンチを…」


「うんうん!
私もね、ハンバーグ作ろうとしてて、ミンチないなって思ってたのよ!一緒に作りましょ、あなたさん!」


「は、はい!」

なんかいいお母さん。まあ、大樹を育てた人だから当たり前か。



ハンバーグを作っていると…


「そういえば、香織さんは何をやっているの?あ、仕事のことね。」


「えっと…」


小説家………


「私は…」


私の言葉を遮って、大樹が帰って来た。


「っただい…ま?」


大樹は私たちを見て、完全にフリーズ状態。


「母さん、何で居んの?」


「何でっていつも月1で来てるじゃないの。」


「そ、そうだけど…」



そりゃそうだわ。
家に帰ってきて、彼女と母親が一緒に料理してたらねぇ…


「だ、だーいじょうぶよ!仲良くやってるから。ね、あなたさん!」


「はい。とても気さくに話しかけてもらって…」


「ふふっ!さあ、出来たわよ。食べましょ!」


まあ、悪く思われてないみたいだし。

って、今私は何を考えてたの?結婚?そ、そんな大樹はまだ若いし…そうだ。


私はもう30なんだ…あれから、2年が経つんだね…


”結婚”


目前までいってたんだけどな。

プリ小説オーディオドラマ