気がつくと朝。
寝ていたみたい。
正直、きつすぎて昨日のことはあまり覚えていない。
そして今、真辺くんがベッドにもたれかかって寝ている。
「真辺くん?」
「ん…。せ、先生!?大丈夫ですか!?」
心配してきてくれたってこと?
「だいぶ良くなったけど…もしかして、ずっと居てくれたとか?」
「あ、はい。まあ、僕も寝ちゃいましたけど。」
真辺くん、ごめんなさい!!
なんで私、電話しちゃったんだろう……
「僕、一昨日の電話気づかなくて…あのとき、出ていたら…って。」
「そんなことない!!
電話しちゃって本当にごめんなさい。色々とありがとうございました。」
「いえいえ。では、僕は帰りますね。」
「あ、はい!!本当にありがとうございました。」
すると、真辺くんは急に立ち止まる。
「先生、今度お茶しません?」
「え?いいですけど…」
「なら、あれ…考えておいてくださいね!じゃ、失礼しました。」
考えておいてください?何を?もしや…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。