第5話

歪んだ兄への感情
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2020/02/15 15:26
お兄ちゃんは唯一私に優しくしてくれた。
私と接してくれた。
それが嬉しかった。周りは兄妹だと言ってる。
私はただ、親からの愛情を一切貰わなかった
子供だった。
ただ、愛情が欲しかっただけ、
温もりが欲しかった、目に映る物が
全て色を失って、何もかもが嘘のようだった。
そんな時「辛いなら吐き出してごらん。」
と手を差し伸べてくれたのが
今のお兄ちゃんだった。
誰も私なんかに見向きもしない、
話しかけてもくれない中で唯一
お兄ちゃんだけが私をちゃんと見てくれていた。
これが歪んだ感情なのは分かってる。
こんな気持ちがおかしいのも、
お兄ちゃんへの想いが強いのも全部分かってる
だけど、今だけは幸せにさせて。

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