?「けい、さつ…?」
松「天崎健吾(アマサキケンゴ)さんですね?貴方の身柄は我々が保護します。こちらへ」
襲われかけた男、天崎健吾は
潤さんと雅さんによってパトカーに連れていかれた
そして、翔さんはもう1人の男に向き直った
櫻「…神木亘だな。傷害および殺人、殺人未遂の容疑で逮捕する」
神「……」
神木は意外にあっさりと従った
しかし、取り調べは翔さん1人で行うということが条件だった
相「どういうつもりなんだろ?」
大「あなた、アイツで間違いないか?」
あなた「うん。被害者と同じリンドウの花が咲いてるから間違いないよ」
それぞれの思いを抱えながらもあたし達は見守るしかなかった
櫻「何で俺を指名した?」
神「その前にこっちの質問に答えてよ。どうして僕だって分かったの?」
櫻「……これだ」
翔さんが取り出したのは1冊の本だった
櫻「これには神話が記されている。主にはゼウスについてだ」
あなた「ゼウス?」
櫻「ゼウスはローマ神話に出てくるオリュムポスの神々の家族及び人類の守護神・支配神と呼ばれ、神々と人類の父と考えられていた」
神「……それが今回の事件と何の関係が?」
櫻「ゼウスは天空神として全宇宙や雲・雨・雪・雷などの気象を支配したと云われている。今回の事件は一見ただ前科もちの未成年者を狙った無差別の犯行と考えられる。けど、共通点はあったんだ」
あなた「共通点……ゼウスは神…!」
二「なるほど」
大「そういうことか」
櫻「共通点は被害者たちの名前。1件目の雪村さなは“雪”、2件目の杉田守と佐々木支那は“守”と“支”、3件目の柴田雨音は“雨”、4件目の橋本雲海は“雲”、5件目の伊藤明雷は“雷”、最後の天崎健吾は“天”…それぞれ名前に1文字ずつゼウスに関する文字が名前に入っている」
神「……」
櫻「そして、仕上げは神木亘。お前の“神”をもって完成だ。お前は自身をゼウスになぞらえて犯行を重ねていたんだろ?」
パチパチパチパチ
神「ご名答。さすがだね、櫻井警部?」
神木亘は不気味な笑みを浮かべていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。