あなたside
事件はごく普通の住宅街で起きた
しかし、時間帯が夜間であったため
人通りはほとんどなかったらしい
現場につくとサト兄と和さんがいた
大「あなた、来たか」
二「お疲れ~」
あなた「お疲れ様です。被害者は?」
大「病院に運ばれて手当てを受けてる。出血はあったが致命傷じゃない」
二「てわけでこれは傷害事件。おかげで俺は暇人ってわけ」
あなた「いや、他の仕事してくださいよ」
二「あなたちゃんが冷た~い。リーダー!」
大「知らないよ」
あなた「はいはい。じゃあ、仕事に入りましょう」
和さんは雅さんとの合流へ
あたしとサト兄は被害者が運ばれた病院に向かった
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その夜、捜査会議が開かれた
大「被害者は柴田雨音(シバタ アオ)さん、18歳、高校生。自宅への帰り道の途中で後ろから鋭利な刃物で刺され、負傷。住民の通報により病院に搬送された」
二「刺し傷はそこまで深くはありませんでした。しかし、凶器は見つかっていません。恐らく犯人が持ち帰ったかと思います」
相「学校で話を聞いたところ、柴田雨音の交友関係は悪くなかった。しかし、クラスメイトの話では一部の友人と毎日ゲームセンターに通ってたそうです。お金はほとんど柴田が出していたらしいです」
二「高校生のくせにそんなにもってんの?」
松「柴田は前に恐喝で2回ほど少年院に入ってます。おそらくその時のあまり金か、また同じ犯行を続けていたんだと思います。もしかしたら、その恐喝の被害者って可能性もあるんじゃないかな」
あなた「その可能性は低いと思います」
松「何で?」
あなた「被害者に話を聞いたところ、犯人の後姿を見たそうです。本人は自分が脅した相手ではないと言っていました」
大「けど、それだけじゃ断定はできないだろ」
あなた「もちろんそう思うよ。それに加えて被害者の傷口から犯人の残留思念を見てみたの。咲いてたのはリンドウ。花言葉は『正義』とか『勝利」とかそんな事を意味するの」
相「それって…」
櫻「愉快犯の可能性が高いってことだよね」
あなた「うん。被害者の心にはコバンソウが咲いていた。コバンソウは『心の動揺』を意味するし、被害者の様子は演技じゃないと思うから」
二「怨恨より愉快犯の方が厄介だね」
松「どのみち捕まえればいいんでしょ?」
大「よし、その方面で捜査を進めてくぞ。それとまた似た犯行が行われるかもしれない。注意してくれ」
全「「「「「了解」」」」」
しかし、事件はあたし達の予想を見事に裏切った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!