第32話

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2018/06/29 13:39
あなたside

あなた「そんなことが…」

松「美緒は……発見当時、衣服がほとんど脱がされていた。恐らく性的な暴行をされたんだろ」

潤さんの過去は想像以上に残酷なものだった

あなた「……犯人は捕まったの?」

松「当時1人の男が容疑者に浮上した。野崎俊、34歳。婦女暴行などの犯罪歴のある男だった」

あなた「じゃあ、その人が?」

松「野崎を重要参考人として取り調べを行った。だが、美緒を殺したという決定的な証拠はなく、釈放せざるをえなかった」

あなた「そんな…」

松「だが、俺は見たんだ。アイツが警察署を出たときうっすらと笑ってたのを…。だから、俺は1人でアイツの元に向かったんだ。アイツだけは…許せなかった」

ギリッ

松「俺は野崎を殺すつもりで拳銃を発砲した。すんでのところでリーダー達に止められて弾は野崎の頬に傷をつけただけだった。俺は一般人に発砲した事が問題とされ、警察をクビになりかけたがリーダー達のおかげで何とか留まることが出来た。野崎をこの手で捕まえるまでは警察をやめるわけにはいかなかったんだ」

あなた「その野崎って人はどうなったの?」

松「アイツは怪我を負った後、姿をくらました。多分、今もどこかに身を潜めてるんだろう」

潤さんは音がなるほど拳を強く握りしめていた

怒りに満ち溢れた潤さんの背中があたしには怖く見えた

あなた「潤さ…」

ピリリリリリ

突然、潤さんの携帯が着信音を鳴らした

松「はい。……!分かった。すぐ行く」

あなた「何かあったの?」

松「事件だ。○○町で女性の遺体が発見されたらしい」

あなた「女性の…」

松「行くよ」

あたしは潤さんと一緒に現場に向かった


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