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第2話

第1章―過去と今―
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2018/11/17 18:17
私は日和見 涼(ひよりみ すず)。

今年から中学生の一員だ。

大丈夫だよね、!
笑顔、笑顔!

今日はきっと信じられる。
そんなことを小声で言いながら毎朝家の玄関を開ける。

私は小学生の頃、
陰湿ないじめを受けていた。

それはとても典型的なもので
泣くほどではなかった。

しかし、私の性格にひとつ書き加えられたことがある。
それは、


他人が信じられなくなった


ということ。
原因は当時のいじめにより親友だと思っていた菜乃花に『もうかかわらないで』と絶縁されたからだった。

菜乃花はいつでも私のそばにいてくれて、
相談にも乗ってくれる大切な存在だった。

とても信頼していたし
これからもずっと仲良くしていられると思っていた。

しかし、絶縁されてからは一切言葉を交わさなくなった。菜乃花は周りの女子と私の陰口を言うことはもちろん、男子に『涼のこれ隠すとあいつ泣くよーw』などいういじめの主犯格になった。

そんなことがあり
私はどんなに 信じてるよ と言われても
誰も信じることが出来なくなっていた。


そんな性格を治すべく
中学生は頑張ろうと意気込んでいたのだが、
生憎菜乃花と同じクラスになってしまった。

菜乃花
ねーねー
あの日和見っているじゃん

あいつ小学校の時いじめられてたんだよね〜www
クラスメイト
えー そうなのー?
菜乃花ちゃんいじめてたわけー?笑
菜乃花
ないないー 私じゃないって〜

私じゃなくて、周りの女子ー
まあでも
私もあいつのこと嫌いなんだけどさーw
私は毎日このような会話をクラス内で大声で話される。

それがどうこうなる訳じゃないけど。
菜乃花
ねえ、あんたさぁ、

死ねば?
クラスメイト
ちょっとー やめなって菜乃花ちゃーん笑
菜乃花
いやいや 大丈夫だってー
こいつ 何言ってもやり返してこないの〜www
クラスメイト
えー笑笑

あ、でも私も思ってたことがあってー
日和見さんさぁ〜
初めて見た時から思ってたんだけどー
影薄くなーい?笑
菜乃花
それなー 死んでも誰も気づかなくね?ww
死ねよ死ねよーwww
中学生になって初めての
夏休みがやってきた。



死ね



そう言われて
ほんとに死んでやろうかと
知らないマンションの屋上に上がり
空を眺めていた時。
ねえ ちょっとー

何してんのー

そこ
俺の場所だから
取らないでくれるー?
えっ、?

あっ ごめんなさい勝手に…
いや 別にいいけどそこどいてくれれば。
てゆうか
君、誰?
見たことあるけど思い出せない
わ、私、日和見 涼です
今年中一ですけど…
それ、私と同じ学校の制服…
え、あぁ そっか、思い出した
君、1年6組の子でしょー?

おれは氷室 響。
5組 君の隣のクラス よろしく
え?!
あ、そうなんだ、、
よろしく…
すごく綺麗…


そう見惚れていた私を現実に戻すかのように彼は言った。
で、
君さぁ
ここ来て何すんの?
死のうとしてた?
図星をつかれたことにより
混乱する頭を必死にクールダウンさせながら言葉を紡いだ。
え、なんで?
そ、そんな急に…

どうして死ぬとも思ったの?
ここ

たくさんの人が
飛ぶために上がってくるんだ。

一応このマンション、おれの親父のだから。息子のおれが自殺防止を促すために毎日見回りにきてんのー。
へぇ、、
そうなん、だ。

知らなかったなあ…あはは、、
で?
君は?

飛ぶの?

どうして今飛びたいのか
その価値をおれに教えてよ。

止めないから。

飛びたいって思うなら。

だから教えてよ。
彼は死ぬことを飛ぶと表現していた。
そこに違和感を覚えながらも問いに問を返してみる。
どうして?
別に君に話しても話さなくてもどうにもならないじゃん。

それって誰得なの?
俺得だよ。

俺が知りたいの。
俺さ昔から価値観が人と違うとか
お前はおかしいって言われてきたから。

だから
他の人はどう思うんだろうって
飛ぶ人の言葉を聞きたかったの。

言いたくないなら
言わなくってもいいけどさぁ。
彼はきっと本当にそう思っているのだろう。

誰が死のうと構わない。
その人が死にたいと思うなら
止めないし止められない、そう思ってるのだろう。

そんな雰囲気が彼の言葉から滲み出ていた。



この人なら



どうせ死ぬんだから
言ってもいいよね。

どうせ
死ぬんだもん。

私という存在を知る人が一人増えただけで
どうなるって訳じゃないもんね。


そう思いながら私は彼に
何故ここに居るのか、ここに来たのか
その経路を一通り話すことにした。

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