両親に抱きかかえられ優しく微笑まれる。
それが私の最初の記憶。
走馬灯のように流れる記憶が次に見せたのは
小学生の記憶。
私は小学4年生から6年生までいじめを受けていた。
問題になる程のことではなく、
物を隠されたり壊されたり
陰口やハブりなどの陰湿なものだった。
当時親友だと思っていた子にも
あっさり絶縁され
私はひとりきりの学校生活を送った。
次に見せたのは
中学一年生のあの夏の日の記憶。
あの日がなければ。
けど
あの日があったから。
これは私の辛い記憶を引きずる私と
それを上書きした1人の少年のお話。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。