第3話

2話
2,199
2018/05/31 12:51
色素の薄い髪色、クリクリのパッチリとした目、筋の通った鼻、ちょこんと乗ったピンク色の唇。




直感でこれがイケメンか、なんて悟った。




男の子は私を見つけると、驚いたような顔をして、座っていた椅子からそそくさと立ちあがっだと思ったら

机の上にあったものを片付け今この空間から立ち去ろうとする







正直見蕩れていた私は、彼が私の横を通り過ぎるまで動けなかった







『ま、待って!』



やっと動いた私の体は、彼の細い手首を捕まえていて



「な、何するんですか、、は、離してください…!」








普通の人でも、急に知らない人に手首を捕まえられたら離してと抵抗するなんて当たり前


だけど彼は、私の思ってた反応よりもひどく怯えていて、肩も、声も、震えていた








『あ、ご、ごめんなさい!変な人じゃないです!今日からここに来たんですけど、その、お喋りする人がいなくて…』

「ご、ごめんなさい!」



私の説明をも遮って掴んでいた私の手から
するりと手首が逃げていく


何が起こったのかもわからずに

パタパタと走り去る音が耳に聞こえて





ああ、失敗しちゃったかな





彼を怯えさせてしまった罪悪感と、自分の頭の出来の悪さにひどく後悔した

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