第3話

太陽と月kn.syp.
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2019/05/02 06:52
side.kn

何時からか後輩が俺に強く当たる様になって来た。始めは照れ隠しだと思って居たが段々と冷たくなる相手を見て、『嗚呼、俺嫌われとるんやな。』なんて心の何処かでは思い始めて居た。

それでも相手を嫌いになれないのは自分でも凄く不思議で唯一の後輩と言うこともあってかことある事に構いたくなって仕舞うのだ。まぁ、大体は強く当たられて終わるのだが。


今思うと俺はドMの素質があったのかもしれない、なんてな(笑)



今日も仕事を終え、帰ろうかと立ち上がるとふと視線に″紫色の彼″が何か考え込むような素振りを見せていて気になって思わず声を掛けてしまった。

こねしま
こねしま
どうしたんやショッピ君。元気無いなぁ
しょっぴ
しょっぴ
っあ?……いえ別に。
上擦った声を出した彼に驚く暇もなく普段通りの態度へと戻って仕舞い、とりあえずはその場を立ち去る。何悩み事でも抱えて要るのだろうか。だとしたら助けてあげたいなんて、事の発端が俺の事だったら立ち直れへんわ。なんて、柄にもなく脳裏にそんな事が過ぎりひとりほくそ笑む。

外へ出て普段は余り好き好んで吸わない煙草をひとつ出す。

そろそろ夜も近い。夜は昼と違って落ち着かない。あの後輩が闇と一緒に消えてしまうのでは無いかなんて有りもしないのにそんなことを考えて仕舞うのだ。

慕われている訳でも無い、特別好かれている訳でも無い筈なのにこんなにも彼を構いたくなってしまうのは可笑しいことなのだろうか。
月明かりに照って出来た自分の影を見つつ
こねしま
こねしま
はは、何なんやこれ…。
早くなる心臓を抑えて呟いた。

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