第7話

雷と共にやってきた人影
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2020/08/14 03:00
瀬名悟
瀬名悟
うっわ、また雷かよ

秘密基地の外は激しい雨と、大きな雷が鳴り響いていた。
春日篤
春日篤
そろそろ帰るぞ
風間竜二
風間竜二
だな。帰っか!
あなた

外出たくなーい。濡れたくなーい。

瀬名悟
瀬名悟
家帰りたくねー
風間竜二
風間竜二
いいから早く帰んぞ
悟と私が帰るのを渋ると大きな雷が落ちた。
あなた

ひゃっ!!

風間竜二
風間竜二
びっくりした!
ここが日本一雷が落ちる町とはいえ、こんな大きな雷は苦手で、隣にいた篤の腕を掴んだ。
春日篤
春日篤
大丈夫?
あなた

う、うん。

風間竜二
風間竜二
なんだこれ
大きな雷の後に、秘密基地の中の物がカタカタと揺れだして、物が落ちていく。
瀬名悟
瀬名悟
地震?
ーパリンッ
大きな音を立てて電球が割れると、灯りを失った部屋の中は真っ暗になった。

風間竜二
風間竜二
うわーっ!!
あなた

きゃぁ!!!

幼い頃、暗い部屋に閉じ込められたときから暗闇は苦手で、突然真っ暗になった部屋で思わずしゃがみこんだ。
瀬名悟
瀬名悟
ちょ、暗いって!
あなた

篤・・・こわい、

春日篤
春日篤
大丈夫だって。ここにいる。

暗闇の中手探りでしゃがみ込んだ私の位置を確かめると、篤は頭をポンポンと撫でるから、私は少しだけ落ち着きを取り戻した。
瀬名悟
瀬名悟
えっ!?
風間竜二
風間竜二
なんかピリピリする!
春日篤
春日篤
・・・えっ?
篤は私の髪が逆だっていることに気づくと、自分の髪にも手を伸ばして驚きの声を発した。
悟・竜二・篤・あなた
・・・えっ!?
それから、一瞬だけ。
外の雨も雷も全てが止まって、その直後に来た大きな雷と衝撃で私たちは吹き飛ばされた。
瀬名悟
瀬名悟
うわっ!
風間竜二
風間竜二
ぶわわわわわ
あなた

うわっ!!

春日篤
春日篤
っつぁー・・・。
あなた?あなた、大丈夫か?
あなた

うん、大丈夫

私は篤に守ってもらいながら、クッションの上に飛ばされたから怪我をすることもなかった。
春日篤
春日篤
大丈夫か?
瀬名悟
瀬名悟
なんとか
風間竜二
風間竜二
てか、今の何?
瀬名悟
瀬名悟
爆弾でも落ちたのか?
風間竜二
風間竜二
ガチ映像?
瀬名悟
瀬名悟
んなわけないじゃん!
風間竜二
風間竜二
だから早く帰ろって言ったじゃん
瀬名悟
瀬名悟
・・・なんか聞こえる!
悟の言葉で耳をすませると、たしかに扉の向こうから足音のようなものが聞こえる。
風間竜二
風間竜二
だれ?
瀬名悟
瀬名悟
シッ!
異様な雰囲気に、私たちはそれぞれ隠れてその足音の正体を待った。
瀬名悟
瀬名悟
・・・
風間竜二
風間竜二
・・・
春日篤
春日篤
・・・
あなた

・・・

大きな音と共に開いたドアの向こうには、銃を持ったような男の人のシルエットが映し出した。
あなた

ッ!!

恐怖で声を挙げそうになった私の口を、一緒に隠れていた篤が抑える。

一歩一歩近づくその人影は、秘密基地の中でロウソクに火を付けて辺りを見回したときだった。
風間竜二
風間竜二
・・・ッ!!
ロウソクを消して竜二に銃を向ける人影。
あなた

ひゃっ!!

春日篤
春日篤
・・・ッ!!
驚きのあまり声を上げてしまった私の手を取って、篤はソファの後ろへ隠れる。

そこには悟と、反対側から逃げてきた竜二もいて、必死に身体を小さくした。

風間竜二
風間竜二
うわぁぁぁぁあ!!!
瀬名悟
瀬名悟
逃げろ!
竜二が荷物を投げつけて、一気に逃げ出すけどみんな瞬時に捕まって気を失っていく。
三平三平
三平三平
・・・
あなた

きゃっ!

三平三平
三平三平
・・・
みんな倒れて行く中、私が声を上げると人影は私に向けて上げていた手を下ろして入口のドアを閉めた。

倒れて気を失っているみんなの傍で、ただただ泣きじゃくることしか出来なかったんだ。

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