第53話

真実を伝えて
2,297
2020/12/20 09:00
小泉明菜
小泉明菜
じゃあ、行くよ

真実を語る財前くんの生インタビューが始まった。
小泉明菜
小泉明菜
自殺を図った財前くんがこの後カメラの前で真実を語ります。みなさん、お聞きください。
財前康隆
財前康隆
あの日、僕はあのビルの屋上からドローンを飛ばしていました。

財前くんはこの前話してくれたように、あの日起きたことを話し始めた。
財前康隆
財前康隆
僕がドローンを操縦していたとき、男が襲ってきて・・・だから、瀬名悟くんは何も悪くないんです。
ずっと求めていた言葉が、やっとみんなに発信された。
財前康隆
財前康隆
僕を襲った男は白い手袋をしていました。
瀬名悟
瀬名悟
白い手袋・・・
山田明彦
山田明彦
白い手袋・・・柚木原だっ!

明彦たちから柚木原って人を教えて貰って、犯人らしき人を特定した私たちは、後日、犯人の後を付けることにした。

ビデオ通話しながら、明彦・和彦・財前くんに容疑のかかった男を確認してもらいながらみんなで着いていく。
瀬名悟
瀬名悟
あれが、柚木原?
あなた

財前くん襲ったのも、あの人?

財前康隆
財前康隆
[そんな感じもするし、違う気もする]
山田明彦
山田明彦
[カブト開発の崎山って男だ!]

ホテルのロビーで会話する二人。
距離があって何を話しているか分からないけど、親密そうな感じがする。
山名彩香
山名彩香
あっちゃん、なにしてるの?

突然現れた彩香は、篤にあえて嬉しいみたいで、大きな声で話し始めた。

恋のライバルが現れて、私の胸は大きく鼓動をした。
風間竜二
風間竜二
ちょちょ、シー!
山名彩香
山名彩香
えっ?
春日篤
春日篤
あいつらの話、聞きたくて・・・
山名彩香
山名彩香
ちょっと待ってて

篤の願いだからか、彩香は嬉しそうに笑うと柚木原たちの方へと歩いてく。
風間竜二
風間竜二
あいつ何する気だよ
柴山道史
柴山道史
あなた、大丈夫?(ボソッ)
あなた

ううん、大丈夫じゃない。
何なのよ、もうっ!

柴山道史
柴山道史
ちゃんと自分の気持ち言えるようになったじゃん。えらい、えらい。

ただの嫉妬なのに、道史は私を甘やかして頭を撫でた。
春日篤
春日篤
おいっ
篤の声でみんな振り返ると、篤はスマホから聞こえる音声をスピーカーにして私たちに聞かせた。
柚木原の方へと行った彩香と通話しているらしい。

なんだか余計嫉妬するけど、今は有り難い。
風間竜二
風間竜二
すげーな、恋のチカラっ!
あなた

竜二、後でなぐる。

風間竜二
風間竜二
は?なんでだよっ!

やっぱり前言撤回。
隣にいるのは私なはずなのに、彼女なのは私なはずなのに、彩香には嫉妬しかない。
柚木原
柚木原
📞花火大会用に用意した花火はどう致しましょうか?
瀬名悟
瀬名悟
花火?
柚木原
柚木原
📞現在、弊社の倉庫に隠して秘密裏に保管していますが
山田明彦
山田明彦
[会社の倉庫か・・・]
春日篤
春日篤
お前ら、なんか隠してねぇか?
山田明彦
山田明彦
[いや・・・]
柴山道史
柴山道史
言えよ
山田明彦
山田明彦
[秘密基地で話すよ]
瀬名悟
瀬名悟
よし、戻るぞ
風間竜二
風間竜二
あぁ

私たちは急いで秘密基地に戻ろうとした。
だけど、
春日篤
春日篤
あっ、あなた
あなた

ん?


みんなが先を行くのに、私だけ呼び止めた篤は、私の正面に立った。
春日篤
春日篤
道史に簡単に頭なでさせないでよ
あなた

えっ?

春日篤
春日篤
俺はあなたしか興味ねぇし。
それに・・・俺だって嫉妬するから。(ボソッ)

そっぽを向いて照れたようにそう呟く篤。
風間竜二
風間竜二
おい、行くぞっ
あなた

行こっ、篤!


なんだか嬉しくって、篤の手を取ってホテルを後にした。

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