第2話

第1話 一目惚れ
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2019/12/17 11:27
ナワーブは大きな扉に手をかける。ギギギと重い音でドアが開く。中を覗いてみれば、自分の2倍の身長がありそうで、ボロボロになった紳士服に、やけに長いシルクハットを被り、左手には大きな刃が殺すぞとでも言わんばかりに光り輝いている。その男はこちらに気が付き、顔を向ける。
ジャック・ザ・リッパー
ジャック・ザ・リッパー
...何故故、サバイバーである君がここにいるんだ?ここはハンター専用の館だ。分かったならさっさと出ていってくれないかな?私は今ティータイム中だ。邪魔をしないでくれ。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
あぁ!すまん、今日来たばっかで慣れねえんだ。ごめんな仮面男!
ジャック・ザ・リッパー
ジャック・ザ・リッパー
...私は確かに仮面を付けているが、仮面男という名ではない。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
るっせー、んなもんどうでもいいよ、それじゃあな、ノッポマンさんよ。
ナワーブは扉を乱暴に蹴り、開けてめちゃくちゃに走ってサバイバーの館を目指していった。








ジャック・ザ・リッパー
ジャック・ザ・リッパー
...あの傭兵、試合で会えば必ず飛ばしますよ...
サバイバーの館を目指し走る中で、ナワーブはあの長身の男のことを考えていた。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
...やっぱ、これ、一目惚れってやつだよなぁ...
ぽそりと呟くと、目の前に今度こそサバイバー専用の館が立派に建っていた。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
おっじゃましまーす...
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
おっっっそいのよ!!!このアンポンタン!!
急に女性の力強い声が聞こえてきたと思えば、咄嗟に顔面に蹴りが入ってきてナワーブは防御もできずそのまま蹴りを食らってしまい、後退りをする。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
いっった!!!急に何すんだこの蹴り女!!
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
誰が蹴り女ですって?!私にもちゃんとした名前があるのよ!!
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
それなら俺もアンポンタンっていう名前じゃねえし!!ナワーブザベダーっていう名前があんの!
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
あっそ!!私は蹴り女でもなく空軍のマーサべハムフィールだから!!
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
はん!もう知るもんか!
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
私だって!!
2人はお互いに背を向け、不穏とした空気が漂っている。そんな状況を占い師が見かけ、仲介者になり喧嘩を止めようとする。
イライ・クラーク
イライ・クラーク
まぁまぁ...そんな、遅刻で怒らなくてもいいじゃないか。まだ時間はある。ゆっくりしよう。
占い師は落ち着いた声でマーサを宥めようとする。そういえばと気がついてナワーブに微笑んで口を開き声をかけた。
イライ・クラーク
イライ・クラーク
...確か、君はこの荘園に来てまだ1日もたっていないんだったか?僕がこの荘園について教えてあげよう
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
いいのか?!マーサとは大違いだな!
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
はぁ?!!!
イライ・クラーク
イライ・クラーク
おいおい...君、さりげなく煽るんじゃないよ。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
わーったよー、で、教えてくれんだろ?
イライ・クラーク
イライ・クラーク
教えるその前に、君の名前を教えてくれるかい?僕はイライ・クラーク。占い師だよ。
ナワーブ・ザベダー
ナワーブ・ザベダー
俺は傭兵のナワーブ・ザベダー。よろしく。
イライ・クラーク
イライ・クラーク
あぁ、それじゃあ僕はナワーブと荘園を回るよ、マーサ、また後で。
マーサ・べハムフィール
マーサ・べハムフィール
えぇ、また。
本当は第1話です。上には第2話と書かれておりますが、それは間違いです。ご了承ください。

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