第2話

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2019/05/13 08:43
そして、少年は歳をとり、大人の男性に育っていきました。ですが、魔女は少年と出会ったときと姿が変わっていません。魔女は長く生き、その命は、果てないとまで言われるのです。
(少年)「魔女様、少しお休みください。」
(魔女)「お前か。大きなお世話だよ。」
(少年)「目に負担がかかって見えなくなりますよ。昨日も泣きながら私のところに来たのはどこの誰ですか。」
魔女は少年に目玉をやったときから少しずつ目が見えなくなってきていたのです。少年がちゃんと見えるように魔法で視力を渡していたのです。その分、魔女の目が見えなくなっているのです。
(少年)「魔女様、私のために視力を使わないでくださいませ。あなた様が見えなくなってしまったら私は悲しいです。」
(魔女)「ふん。いいんだよそんなこと。」
(少年)「私よりも長生きをしますのに、これから先見えない人生を進まれるのはいけません。」
(魔女)「いいんだよそんなこと長生きをしていてもなんの価値すらないんだからね。」
それからも少年と魔女は幸せな日々を過ごしていきました。ですが魔女は一つ嫌なことがありました。それは少年がだんだん歳をとっていくことでした。少年もすっかりふけてきていたのです。
「人の一生が進むのは速いな」少年と暮らすことになってからよくその言葉を一人で言いました。

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