私は、ショックで体を机にのけぞり返していた。
何がショックなのかというと…坂月さんと寺本くんが付き合っていることだ。
「寺本くん」という言葉を聞いて、一目散に走り出した。
まわりを見ると、すぐ上に寺本くんの顔があった。
謎に片言になった。
…え?Pardon?
伝えたいことって…
え…寺本くんが…笑った⁉
いや!それはいろんな意味で無理です!
そう言いかけたけど、やっぱりやめておいた。
そんなことを言っておきながら、今はいつもの無表情だ。
寺本くんが戻って行った後、心の中で苦笑した。
やっぱり寺本くんっていいな。
てか、話ってなにかな。
そんなことを考えながら、授業を受けていると、先生に「教科書逆だぞ」と笑われた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!