ラウールside
泣き止んだあなたから聞いた夢の話は、あまりにも残酷だった。
それを表すかのように、今もあなたの手は小刻みに震えている。
「大丈夫」って、思わず出そうになった言葉をぐっと飲み込んだ。
一番言われたくない言葉だってことは、多分Snow Manの中では僕が一番わかってる。
大丈夫じゃないから泣いていて、怖がっているのに、「大丈夫だよ」って言われたらもうそれ以上何も言えなくなる。
相手に悪意がないことはわかっている。
だけど、腹が立つし、その人に対して諦めさえ感じることがある。
自分はそうはなりたくない。
あなたが安心して頼れる人であり続けるって決めているから。
あなたの手を取り、その小さな小指に自分の小指を絡めた。
あなたが抱きついてきて、僕の背中に手を回す。
いつもに増して華奢で壊れてしまいそうに見えるあなたの体を、そっと抱きしめた。
短くてすみません、、💦
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!