奥村side
今日は完全オフの日!
それだけでも珍しいのに、今日はなんと...
ラウも1日オフなんです!
前に2人でオフだったのは確か...
付き合う前の、押し倒された時?
どうしよ、あの時の続きしよ、とか言われたら...
一瞬頭に浮かんだ妄想を追い払う。
私、何考えてんの。
洗面所の鏡に映る私の頬はうっすらと紅く染まっていた。
顔の火照りを冷ますように手でパタパタと仰いで、なんでもないように洗面所を出る。
コツンとおでこを当てて熱がないか確認するラウ。
顔の距離が近すぎて心臓がバクバクと音を立てた。
笑わないでよ、と言おうとした私の唇に柔らかいものが触れた。
目の前にはどアップのラウの顔。
付き合ったからといって特に変わることがない私たちの会話。
変わったことといえばラウの行動がちょっと大胆になったぐらい。
2人でソファで話して、YouTubeをテレビで観て、私が作った昼ご飯を食べて...など満喫して過ごしていた。
ラウと私の部屋に戻り手帳を広げる。
スケジュールの管理は基本マネージャーがしてくれてるし、スマホにも入っているけど自分でもスケジュール帳を作ってるの。
スマホを見ながらカレンダーに書き写していく。
20分ぐらいすると、階段を上がる音が聞こえてきた。
ガチャ
ラウは私を立たせるとジリジリとベッドの方へ詰め寄っていく。
そこまで言うと私を優しくベッドに押し倒す。
奥村あなた。
早くもフラグ回収しそうです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!