急な報告だった。いつもどうり、私は学校から帰るところだった。いつもは執事の莉犬が車で迎えに来てくれるはずが事情があり来れなかったので歩いて帰ることにした。実はもうすぐで私の誕生日!莉犬は何をくれるのか楽しみにしている。勉強のこと、部活のこと、莉犬のことを考えていると心が踊ってしまう。ついスキップしていると、後方から大きなブレーキ音が聞こえた。振り返ると目の前には大型トラックが……。気づいた時はもう遅かった。周りから沢山の悲鳴が聞こえる。少しずつ意識が遠のいた。
あれから数日後……
『ん、んー』私は目を覚ましたのだ。
横には知らない人がいる。恐らく看護師さんだろう。
利「ん?あなた!あなた!」ギュッ
利「ごめんっ……ごめん…(泣)」
『誰?……』
急に抱きついてきた人は看護師さんではなかった。誰かは知らないが、凄く悲しそうだ。泣いている。
『誰ですか?……?』
利「あなた?」
利「僕だよ………莉犬だよっ…(泣)」
『莉犬…?看護師さんですか?』
利「違うよ…あなたの執事だよ…(泣)」
『私に執事などいませんよ。何かの勘違いでは?この世には似てる人が3人いると言いますし。』
利「え………(泣)」
医師「目を覚ましましたね。ちょっと、莉犬さんよろしいですか?」
利「は……い…(泣)」
別室に移動。
医師「あなたさんは記憶喪失かと」
利「でも!自分の名前は覚えてたし……僕のことだけ…(泣)」
医師「あなたさんは滅多にないケースでして、1番身近な人だけを忘れてしまったみたいです。恐らく身近な人だと莉犬さんだけかと…」
利「戻るんですか…?(泣)」
医師「戻りますよ。でも、最短で3日、最長で20年かかります。思い出の場所とかに行ってみると思い出すことが多いですよ。これから様子を見ていきましょう」
利「はいっ……(泣)」
利「あなた…」
『何ですか?』
利「僕のこと本当に分からない?」
『えぇ、だって初対面ですし』
利「そ、そっか……」
『痛っー』
利「あなたっ!大丈夫?今先生呼んでくるからね」
『いや、大丈夫です。このくらい。それより1人にして貰えますか?』
利「う、ん。分かった。それじゃあ」
病室には私1人。あの人が帰ってから何かが足りない。なんだろう。
〜居酒屋にて〜
利「どうしよう(泣)」
る「莉犬なら大丈夫だって!すぐ思い出してくれるよ!」
利「そうかなぁぁあ(泣)」
な「まぁまぁ。大変だけどさゆっくり思い出させようよ」ヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙
利「ずっと冷たいんだもん(泣)」
さ「いいじゃん!いい1面を見れるんだよ!ある意味楽しめるって!」
こ「さとみくん…何考えてるの…」
さ「どうせお前もエrいこと考えただろ!」
利「ころちゃんは、ずっと考えてるよ」
こ「はぁあ?」
る「本当のことじゃないですかw」
こ「おい!るぅと殺すぞ?!」
ジ「先にるぅとに殺されるわw」
利「るぅとくん、るぅとくん。ビール瓶あるよー」
る「ありがとうございます( ^ω^)」
さ「怖っw」
な「でもさーあなた重症だったけど明日には家に帰れるから良かったね〜」
利「そうだけどさぁ」
る「すぐ遊びに行きますね」
利「そうしてー」
な「明後日には行くわ」
こ「ねー今日さ、この後1本動画撮らないとだから帰るわ」
さ「じゃあ俺も」
る「あー。なーくんのご馳走様です!」
ジ「でたーwるぅとの必殺技w」
な「う、うん。」
利「なーくん僕が払う。誘ったの僕だし」
る「やったぁ!」
ジ「次来る時は、あなたも一緒でるぅとの奢りねw」
る「なんでですかー!」
莉犬(こんなに皆笑顔にしてくれてるんだ。僕も頑張らないとね)
明日からまたあなたの執事が始まる。はっきり言うと自身はない。
利「君の世界に僕はいる?」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。