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第3話

日常
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2019/05/07 09:24
あなたが退院した。今日から2人での生活が始まる。今までも2人で生活したが今日からは違う。空気が重い。少し憂鬱だが「あなたの為に頑張らないと!」と思えば楽しいもんだ。距離が遠くなった。前まではもう距離なんて無いくらいだったのに…今は地球1周分ぐらい離れている感じだ。それがなにより辛かった。

利「あなたさん…。お食事の用意が出来ました」

『はい。』

利「今日は、天気がいいですね」

『そうね。でも、午後からは雨よ』

利「こちらです。」

『おいしそう……。いただきます』

利「( ^ω^)」

「おいしそう」と言って貰えただけで嬉しく感じた。

『ご馳走様でした。おいしかったです。ありがとう』

利「いえ、こちらこそ。」

『私は今日は部屋にいるから』

利「かしこまりました…。」

利「あのっ!……」

『はい?』

利「僕、私は執事なのになぜ敬語を使うんですか」

『誰だってそうよ。初対面の人にタメ口なんて使えないわ』

利「で、ですよね…」

『それじゃあ』

利「ごゆっくり…」

莉犬は隠れて泣き続けた。今ではもう話しかけてさえくれない……。

利「。・゚・(*ノД`*)・゚・。」

プルルルル

利「電話電話ー」

利「はい。もしもし」

な「あ!莉犬くーん今近くにいるからよってもいい?」

利「なーくん!いいよ!来てきて」

な「分かったー。じゃあ行くわ」


利「救世主登場!」

コンコン

利「失礼します。あの、今から、ななもり様が来るとのことです。」

『なーくんが?』

利「はい。」

『やったぁ!!!!』

利(嬉しそうで良かったな)

〜数十分後〜

な「おじゃましまーす」

さ「失礼失礼」

ジ「いらっしゃーい」

こ「おい!お前違うだろw」

ジ「え?ここは、俺とあなたの愛の住処ですけど?」

る「きもっw」

な「るぅとくんw」

『なーくん!』ギュッ

な「あなた!」ギュッ

なーくんは抱きしめてくれた。優しく。

『久しぶり!』

な「相変わらず身長は変わんないんだね」

『ちょっとは伸びたもん!』

る「( -ω- `)フッまだまだですね」

『るぅとくん縮め』

こ「そうだ!そうだ!縮め縮め!」

る「o(`・ω´・+o) ドヤァ…!」

さ「上から目線すんなよ」

ジ「ムカつくわ〜」

る「ん?」

ジ「なんでもないですー」

「wwwww」

な「あなた、莉犬くんは?」

『多分中だよ。』

な「じゃあさっそく皆でゲームでもやろうよ」

『よっしゃぁぁ!』

さ「もっと女の子らしい言葉使ったら?…」

こ「ゴリラになるんじゃない?」

『あぁ?誰がゴリラや!』

『きゃあ!怖いぃ』

『女の子になってみました』

さ「合わない」

こ「無理」

『でしょー』

利(僕もあの中入りたいな…無理だけど)
僕は声を押し殺して泣いた。大切な人に忘れられるとこんなに悲しいんだ。皆とゲームやりたいな…。

な「莉犬くん」ヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙

利「なーぐぅうぅうん!!(泣)」ギュッ

な「大丈夫だって!絶対戻るって!」ヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙

利「辛い……(泣)」

な「あなたもきっと辛いよ。1番大切なものが無くなって、でも、それが何か分からない。だから心のどこかに穴が空いてるんだよ。」

利「じゃあ、僕頑張らないとだね……(泣)」

な「そうそう!その勢い」

利「絶対意地でも思い出させてやる!」

その日から僕は懸命にあなたに尽くすようになった。

利「あなたの世界に僕はいますか?」



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