第3話

偶然
501
2022/07/18 03:09
🐶❤️ side ______

バーチャルスタジオについてからもさっきの女の子が頭に浮かんで離れない

スタッフさんにも大丈夫ですか?と声を掛けられる

今日は俺のために沢山の人が関わってくれていて沢山のリスナーさんが楽しみにしてくれている

今はバーチャルライブだけに集中することにした
🐶❤️
満点な人生も〜
ルマから始まった俺のバーチャルライブは前回よりもグレードアップしていてすごかった

目の前にリスナーさんはいないけどコメント欄が見えていて本当にライブをしている気持ちになる

ライブが終わるとスタッフさんがケーキを持ってきてくれてサプライズしてくれた

俺のアニマルが乗った可愛いケーキだ

これを持って家へ帰る

帰り道T○itterを開けばバーチャル楽しかったよなどのツイートやまだまだ俺が見れていないお誕生日ツイートが目に入る

その中の1つのツイートが俺の目に止まった
🐶❤️
えっこれって…
俺が見たツイートは朝の女の子のツイートだ

着ているお洋服が朝の子と同じでツイートにはお友達に手伝ってもらったと書いていた

そしてその子のツイートを他にも見てみると一緒にバーチャルを見たことや今から帰るなどが書いていた

もしかしたら帰りにまた同じ電車に乗れるかもしれないなんて期待をしながら駅へ向かう
FRIEND
今日はほんとにありがとね!
あなた
フルフル
遠くで朝聞いた声が聞こえてきた

その声のする方を見ると朝の女の子が2人いる

たまたま同じ電車に乗ることができた
FRIEND
またね!ほんとにありがとう!
あなた
ニコニコ
朝2人が乗ってきた駅で量産型の子が降りた

もう1人の子は友達と別れてから椅子に座って携帯を触りながら寝落ちしている
🐶❤️
いつ降りるんだろ
そろそろ終点に近づいてくる

それに伴って俺の降りる駅も近づいてくる

俺は勇気を振り絞って声をかけることにした

幸い今俺が乗っている車両には俺と女の子を含めて5人しか乗っていない
🐶❤️
あの〜?
あなた
フワァ あッ!
🐶❤️
もうそろそろ終点に…
あなた
!ぺこり
あなた
あッ……つッ…ぎ…
🐶❤️
俺も次なんですよ ニコ
あなた
ニコニコ
同じ駅で嬉しいなんて少し変態紛いなことを考える

それよりもこの子はとっても礼儀がいい
あなた
あッ…の…
🐶❤️
はい ニコ
あなた
『朝の電車で乗ってた方ですよね?』
🐶❤️
覚えてるですか!?
あなた
コク ニコニコ
女の子が覚えてくれていることがすごく嬉しかった

でもどうして携帯に文字を打ち込んでるんだろ?

携帯を見せてお話している

不思議に思ったがそこまで深くは考えなかった

そこから2人で電車を降りて帰り道を歩く

帰り道の方向まで一緒なことには驚いた
🐶❤️
朝結構大きな荷物持っていたの見たんですけど何か用事があったんですか?
自分で女の子に質問してはなんだが大分ヤバいことを聞いている気がする

普通だったら教えてくれないことであり自分でも分かりきってることなのに聞きたい
あなた
『友達の推し様のお誕生日だったのでそのお手伝をしてたんですよ ニコ 』
あなた
『自分はその人のことあんまり知らないんですけど友達はその人に出会ってから笑うことが増えているんです』
🐶❤️
そうなんですね ニコ
あなた
『私もいつかその人に会って友達を笑顔にしてくれてありがとうって伝えたいんです ニコ 』
あなた
……!
あなた
『私ばかり話してしまってすみません…』
🐶❤️
いえいえ!とっても素敵ですね ニコ
俺の活動で人を笑顔にすることが出来ていることやリスナーさん以外の第3者の意見を生で聞くことが出来て俺は素直に嬉しかった

この女の子はリスナーさんじゃないけどリスナーさんじゃない人からもそう思ってもらっていることがなによりも嬉しい
あなた
『あの順番おかしいと思うんですけどお名前って…』
🐶❤️
そうでしたね!
🐶❤️
俺は赤崎莉央っていいます!
あなた
莉ッ 央…さ ん……
あなた
『私はあなたの苗字あなたですニコ 』
🐶❤️
あなたちゃん!
🐶❤️
可愛い名前だね ニコ
あなた
!ニコニコ
あなた
『あ!私こっちなんで!』
あなた
ぺこり
🐶❤️
あなたちゃんと話せて楽しかったよ!
🐶❤️
こちらこそありがとう ニコ
あなた
ニコニコ
🐶❤️
あの!あのさ…
俺は言うかどうか迷った

連絡先を知りたいなんて言っていいのだろうか
あなた
???
🐶❤️
連絡先交換しない?
あなた
!コク ニコ
あなたちゃんはニコって笑って連絡先を交換してくれた

リスナーさんかもしれない子と連絡先を交換してしまったという少しの罪悪感と好きな子の連絡先を知ることができたという喜びが混ざる
🐶❤️
ありがとう ニコ
🐶❤️
また連絡するね ニコ
あなた
ぺこり
ばいばいと手を振って別れた

携帯には好きな子の名前と可愛いアイコンがある

家に帰ったら一言でも連絡してみようかなって考えながら家に帰った

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