私は善逸と共に【京極屋】へと向かった。
電柱の影で見ていた善逸を振り返り、手話で少し話しておいた。
善逸は承知したのか物凄く頷いていた。
そして女将さんに連れていかれた所は綺麗な部屋だった。
物凄く整えられていて、花魁が住んでいると思える程の綺麗な部屋だった。
私は突然の名前に驚いた。
本当に【雛鶴さん】は此処に居たんだとやっと確信できた。
行方不明…宇髄さんが言っていた通りだった。
やはり【雛鶴さん】はこの京極屋から姿を消したのであった。
鬼に殺された形跡は無い為、鬼に囚われていると私は予想をした。
私は広場へと向かった。
広場には大勢の人で賑わっており、その中な埋もれている善逸が人混みに押されていた。
私はその場まで行き、善逸の腕を引っ張った。
手を振りながら店から出て行く善逸。
人とぶつかりそうになりがらも私に手をずっと降っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!