第33話

十二鬼月
747
2020/11/19 09:13
数十分後

私がその場で座り込んでいたのは訳がある。
目の前にいる前髪で瞳が見えない女性の鬼。
手に持っている琵琶が何とも言ってとても気色が悪い。
琵琶の音を鳴らす度に鬼が出てくる。
この鬼は琵琶と一体化しているのか、このには不思議がいっぱいであった。
鳴女
怖がらなくても…大丈夫です。
貴女は殺されませんから…
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
えっ…
急に口を開けば「殺されない」と言った。
この鬼は何が分かるのだろうか?
鬼舞辻無惨が直々に意志を繋いでいるのだろうか?
鬼舞辻無惨
鳴女、すまない遅くなった。
皆の者の準備が出来たようだ、呼んでも構わない。
鳴女
畏まりました…無惨様。
『ベベン』と綺麗な琵琶の音が鳴った。
その途端無惨がたっている目の前に鬼が十二名集まっていた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
ッッ…!?
鬼舞辻無惨
そう驚かなくても大丈夫だ。
頭を垂れて蹲え平伏せよ…
鬼舞辻無惨
何故下弦が魘夢しかおらぬのだ?
魘夢
私にもよく分かりません
鬼舞辻無惨
そうか…
魘夢以外の下弦の鬼共はそれ程に弱いと言う事で間違いはない。
鬼舞辻無惨…
優秀になる筈の下弦の鬼が死んでも、涙一つ垂らさない鬼なの。
鬼舞辻無惨
まぁ良い…
それ程期待はしていなかった。
鬼舞辻無惨
鳴女何か情報は?
鳴女
はい。

下弦の伍 累は水柱の剣士と水の呼吸の使い手に殺された模様です。

下弦の陸、弐、参は蟲柱、炎柱、音柱に殺された模様です。

下弦の肆は未だに不明です。
鬼舞辻無惨
まぁ良い…零余子むかごは役に立たない。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
先程からお話を伺っていましたが、貴方何様のつもりなんですか?
貴方が勝手に鬼にし、鬼殺隊に殺されたら悲しみもしない!!
鬼舞辻無惨
……皆に紹介しよう。
私の嫁となる鬼殺隊の夜柱の剣士だ。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
誰が貴方の嫁になんてッ…
童磨
綺麗な女性ですね。
俺と一生を過ごして欲しいくらいだ。
黒死牟
無惨様にあった女性だ…
猗窩座
無惨様の嫁ならば、言う事を聞くとしよう。
鬼舞辻無惨
それで今日集めたのはこの嫁を私に相応しい姿にしたいのだ。
鬼にするのは賛成か、聞きたいのだ。
堕姫
それは賛成だわ!!
あたし一人女じゃ寂しいもの!!
勝手に話を進めていく鬼達。
私の意思や意見は聞きもせずどんどんと決まっていく姿を見て腹が立った。

そしてふと思った。
今のうちならば逃げられるかもしれない、と…
無理な行動はしたくはないが、今しかないと思ってしまった直後考えるよりも体が先に動いていた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
シュンッッ
鬼舞辻無惨
全く躾がされてない小娘だ。
この話はまた今度にしようか、まずは取り返すのが先だ。
堕姫
無惨様、あの娘何処か特別な感じがします。
半天狗
怖い怖い…特別な感じとは…ひぃぃ
童磨
あらあら無惨様から逃げ出してしまいましたね、俺が捕まえに行ってあげますよ?
鬼舞辻無惨
童磨は動きが十二鬼月の中でも遅い。
だからここは速い猗窩座にして貰おう。
猗窩座
御意
黒死牟
残念だったな童磨。
しっかりと鍛錬を試みる事だ…
童磨
むぅ、黒死牟殿後で稽古をつけてくれぬか?
黒死牟
私は私のやるべき事がある。
また今度の依頼待っている。
童磨
それは残念だ。
鬼舞辻無惨
解散としよう。
玉壺どうした、先程から何も話していないが…
玉壺
話に追いつけていないのです。
とりあえず解散ならば早くしましょう!!
鬼舞辻無惨
そうだな、鳴女
鳴女
ベベン
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
はぁはぁッ…
逃げて来れたけども、追いかけてくるかもしれない。
私は背後を注意しながら目的の場所まで向かった。
竈門炭治郎
あなたさん!?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
たッ…炭治郎…さんバタッ
私の意識はそこで途絶えた。

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