第24話

初見の鬼舞辻無惨
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2020/11/02 11:19
風のように宿内を走り抜けて外へと出た。
後ろには疲れきった炭治郎さん達がいた。
竈門炭治郎
あなたさんッ…速い!!
月詠(なまえ)
月詠あなた
これくらい着いてこれなきゃ柱には当然なれませんよ。
竈門炭治郎
はッ…はい。
我妻善逸
やっぱ柱って速いねぇ!!
嘴平伊之助
俺様疲れてねぇぜ!!
明らかに疲れている様子で否定し続ける伊之助さん。
だが今はそんな事を突っ込んでいる暇は無い。
煉獄杏寿郎
よもやよもやだッ!!
鬼舞辻無惨の気配が微かにする。
月詠(なまえ)
月詠あなた
えぇ…これは急がなければ犠牲者が出てもおかしくはありませんね。
私は急いでお面をつけるといつもの格好になった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
とりあえず様子を見に行きましょうか。
私は町中を探し回った。
だが気配が強い者は誰一人としていなかった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
人間に化けているのでしょうか?
竈門炭治郎
あなたさん鬼舞辻の匂いがします。
こっちです!!
炭治郎さんにそう言われ私は後ろを追った。
炭治郎さんは嗅覚が鋭い為一度覚えた匂いは忘れないそうだ。
特に鬼は独特な匂いで特徴的と言っていた。
竈門炭治郎
あのッ!!
鬼舞辻無惨
どうかしましたか?
炭治郎さんの方角は的中。
私達が探し求めていた鬼舞辻無惨が今目の前にいる。
私は手がプルプルと震えていた。

その中でも炭治郎さんは冷静で鬼舞辻無惨に話しかけていた。
竈門炭治郎
単刀直入に聞きますが…貴方は鬼舞辻無惨ですよね?
鬼舞辻無惨
何故私の名を?
竈門炭治郎
いやッ…あのぉ
鬼舞辻無惨
何方ですか?
チラチラと私の事を見てくる炭治郎さん。
多分助けて欲しいのだろう。
私は「仕方ない」と言う顔をして、鬼舞辻無惨に話しかけた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
私達は鬼を滅殺する鬼殺隊という組織に入隊しています。
最終の目的では貴方を滅殺すると言う目標なんですが、少しお話する時間は空いていますでしょうか?
鬼舞辻無惨
貴様らと話して私の得ではない。
今からでも逃げる事は可能だが、私が弱いみたいだからな…
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
逃げて大丈夫です。
必ず見つけ出して滅殺しますから。
鬼舞辻無惨
人間共にそれが出来る筈無いだろう。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
何の根拠もないのに何勝手な事を言っているんですか。
いい加減にして下さい…貴方に家族を失わされた方は何名もいるんです。
私達の手では数えきれない程の人数なんです。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
今ここで貴方を逃がしてしまえば、鬼殺隊の恥となります。
鬼舞辻無惨
そんな事は知らない。
私には関係の無い話だ。
人間共は鬼に喰われる運命なのだ。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
貴方は身近にいる大切な人を失った事がないからそんな事を言えるんです。
失った人の気持ちをそう簡単に侮辱しないで下さい。
鬼舞辻無惨
話は変わるが貴様の顔面にあるのはお面だな?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
そうですが…
鬼舞辻無惨
面を見せて頂けないかな?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
何変な事を言っているんですか。
私は怒りに満ちていた。
大切な人を失った人々の悲しい気持ちを簡単に侮辱できる程の悪感の塊だ。
鬼舞辻無惨はどれだけの人間をその手で殺してきたのだろう。
今すぐにでも殺したかったが、私はその気持ちを抑える事にした。
目の前にいた鬼舞辻無惨が消えた。
瞬発に私のお面が鬼舞辻無惨の手で弾かれてしまった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
ッ…!?
竈門炭治郎
あなたさん!!
『カロンコロン』

真っ二つに割れたお面が私の真下に落ちていた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
なッ…!!
私は驚きを隠せなかった。

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