第17話

合同任務
955
2020/10/18 05:34
今日は霞柱の時透さんとの合同任務
自己紹介以来全く話しておらず少し心配である私だった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
凛…有難う。
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
いいわよ!!
凛に案内され着いた場所にはもう既に時透さんは到着していた様だった。
時透無一郎
えっと…月詠さん?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
あ、はい。
私の名を呼ばれ私は返事をした。
時透さんはもたれかかっていた壁から背中を離すと此方に歩いてきた。

すると顔を近くにして見てきた。
時透無一郎
何でそのお面外さないの?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
お面は外す訳にはいかないです。
時透無一郎
どうして…なのかな?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
どうしても外せない理由があって…
時透無一郎
まぁ、いいや。
とりあえず行こうよ、さっさと終わらせたい。
この人はよく分からない。
急に顔は近づけてくるし普通に距離感が保てないようだった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
あ、はい。
私は返事をし着いて行った。

スタスタと歩く速さは物凄く速かった。
この人はどこかせっかちのような気もする。
時透無一郎
君ってさ…何か異様な気配がするよね。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
異様な気配?
時透無一郎
何か感情を感じないと言うか…
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
多分このお面の仕業だと思います。
この面は表情が見にくいので感情が分かりにくいだと思います。
時透無一郎
まぁいっか…
詳しく説明したつもりだったが興味無さそうな返事が返ってきた。
私の説明はいるのだったのだろうか…
あからさまに興味が無いようだった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
(感情が掴めない…)
私は不思議に思いながらも彼に着いて行った。

時透さんの鴉に案内され到着した場所は薄暗くいかにも鬼が出そうな気配を持つ山だった。
夜遅くの任務だったためなのか、少し気味が悪い。
時透無一郎
早く行こ。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
はい
雑魚鬼
グワァァァァァッ
山の中に入った瞬間に次々と湧き出てくる鬼達。
全て鬼の中でも底辺の方にいる雑魚鬼だった。

私達は鬼の頸を斬りながら異様な気配を持つ鬼の正体を探るため気配のする方に向かった。
時透無一郎
邪魔だなぁ
時透さんは鬼が現れる度に「邪魔」と言う言葉を発する。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
時透さん…
時透無一郎
月詠さんってさ何の呼吸使うの?
現地に行く途中に時透さんはそう聞いてきた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
夜の呼吸です。
時透無一郎
夜の呼吸ってあの希少な?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
あ、はい…そうですけど?
時透無一郎
そんなに才能に恵まれてたんだね月詠さんって…
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
あ、はい。
才能に恵まれていた…
その言葉には少し否定気味だ。
いくら希少な家系に生まれたとしても私は才能と言う言葉に実感は無かった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
私は恵まれては無いです。
時透無一郎
どうして…夜の呼吸は才能が無きゃ出来ない呼吸だ。
君には才能があるから使えているんじゃないのかな?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
それは分かってます。
ですが私に才能があるとは当然思えない…この呼吸は最低でも父の跡継ぎであって才能のある父から教わった呼吸法だから私に才能あるとはおもえないです。
時透無一郎
そっか…でも君自身が自分の才能を否定し続けるのならば僕はそれを肯定し続ける。
こんなにも凄い人が身近にいるんだ。
目をキラキラとさせながら空を見上げた。
時透さんの髪の毛が風になびき長さを表した。
時透無一郎
僕は君の才能を侮辱する事は無い。
私は目を大きく見開き時透さんを少しの間見つめていた。
こんなにも私の才能を認めてくれた人は今までで初めての事だった。

それから私達は任務を済ませ一夜藤の花の家紋の宿で休む事にした。
その間ずっと私のドキドキと頭の中を駆け巡る時透さんの言葉は離れなかった。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
(なんなんだろう…?)

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