第9話

その後の兄
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2020/10/01 09:56
_瑞稀 side_
『一切口を開きませんから!!』
妹からの突然の言葉。
俺は多分その時は困惑していたと思う。

だって大好きな妹と話せないなんて
そんなの当然嫌だ。

だが、親父と話すのも嫌だ。
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
くそ…ッッ!!
伊黒小芭内
どうしたんだ、瑞稀。
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
あ、伊黒…俺さ多分極度の妹好きなんだと思う。
伊黒小芭内
それは…どういう事だ?
見た目が派手にして、極度の妹好きだとそれはそれでいい噂だな。
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
変な噂は流すなよ?
あんまり大事にはしたくねぇし
伊黒小芭内
月詠瑞稀は極度の妹好きだな
まぁ頭の片隅にでも入れておくか
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
それでさっき怒られてから、めっちゃ俺考えてたんだよな?
でもさどうしたら仲直りできるか分かるか?
伊黒小芭内
俺にそんな事言われても…
喧嘩という喧嘩をした事がないから、よく分からない。
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
そうか、有難うな。
伊黒小芭内
………ん
伊黒は去って行った。

俺はその後も悩みに悩んだ。
それでも答えは見つからず、
最終的には俺の一番の相棒ランを呼んだ。
欒
で、あなたちゃんに怒られたって訳やな?
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
おう…ッッ
欒
心底悲しいだろうし、悔しいやろうかと思うがこれはしゃーないわ。
それもこれも瑞稀が全部悪いんよ?
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
何で…ッ!?
欒
三年間も実家に帰らずに、それにまともに任務にも行ってない。
そんな兄を信用してると思うか?
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
た、確かに…
欒
きちんと話さへんと親父さんとも仲良く出来へんで?
癖の強い関西弁風な鴉。
こんな不器用な奴だけど、俺の事を励ましてくれている。
本当にやさしい‴相棒‴だ。
欒
ほな行かへんと
凛にも事情は話しておくけん、行ってきな?
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
欒は俺の一番の相棒だ…有難うな!!
欒
さよか、そんなら良かったわ!!
ほな、頑張りな?
月詠 瑞稀
月詠 瑞稀
おう!!
俺は決心した。
あなたと仲直りして、親父とも仲直りしてこれで一件落着!!
_瑞稀 side end_
欒から伝達が来た。
どうやら兄が何か決心したようだ。
「話したい事があるから〇〇に来てくれ」

との伝達。
昨日よ事もありながらよく呑気に呼べたと思った私は少しだけうんざりしてしまった。
こんな兄だけど、本人は多分仲直りしたいようだ。
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
との事だけど、どう?
あなたのお父さんにも謝りたいらしいわよ?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
話してあげなきゃそれはそれで可哀想でしょ?
お父様にも謝る気があるならば、仕方がないでしょう。
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
ま、まぁそうね。
私は大きく「はぁ」と溜息をついた。
凛は隣で苦笑いをしながら見つめてきた。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
兄さんに久しぶりに出会って本当は嬉しかったんだけどな…
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
本音はそれ?
あんな冷たい態度取っちゃって瑞稀も可哀想じゃない。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
だって三年ぶりに再会してあんなガラの悪い男になってたら、驚くでしょ?
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
瑞稀は瑞稀で良いんじゃない?
別に困ってる様子も無いみたいだし、他の柱にも虐められてないみたいだから。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
そういう問題なのかしら…
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
あなたって私の前だと随分人柄が変わるわね。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
そう?
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
初対面とかそういう人には凄い敬語使うじゃない。
しかも身内の親や兄にも使うとか、私なんか差別なの?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
差別では…無いと思う。
一番親しみやすいって言えばやっぱりさ、凛だから。
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
嬉しい事だわッッ!!
あなたって案外素直なのね!!
凛の機嫌が良くなった。
多分お世辞でも嬉しい事なんだろう。

これが嘘だと知ったら多分怒るだろうな。
まぁ嘘では無いから心配はいらない。
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
はぁ、兄さんってあんな人だったっけ?
昔の兄さんが一番可愛かったのに…
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
昔に縋ってたって意味無いわよ。
瑞稀も瑞稀でちゃんと変わろうとしてるんだから、そっとしておいてあげたら?
月詠 (なまえ)
月詠 あなた
そういう者なのかな…
昔の方が話しやすいって言うか、今は別人って言うか?
(なまえ)の鶯
あなたの鶯
それはちょっと可哀想じゃない?
欒
あなた~ッッ
月詠 (なまえ)
月詠 あなた

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