side 平野
『ねぇ…苦しいねんけど』
「もうちょっと」
『息できへんて…』
「疲れてるの」
『なら寝たほうが…』
馬鹿だな。かぐは
「かぐとギュってしてる方が疲れ取れる」
『んなわけあるか(笑)』
かぐの膝の上に座って充電中の俺
強く抱きしめてる上にかぐの顔は俺の胸に押し付けられてるわけだから苦しいのなんて当然だし俺だってわかってる
でもさ
「誕生日なんだから充電させろよ…」
『…彼女作って彼女に充電して貰えばええやんか』
「じゃあかぐを彼女にする」
『ご遠慮しておきます』
「じゃあ今日だけ」
『ご遠慮して…「今日くらいいいじゃん」
なんでそんなに嫌がんの?
いいじゃん平野で
大事にするしさ?
「なんで?なんで嫌なの?」
『嫌とかやなくてー…』
「じゃあなんなの」
『メンバー内恋愛禁止!』
「バレなかったらいいでしょ」
『良くないわ』
いいじゃんか
平野は結構マジだよ?
…永瀬廉っていう強敵がいるけど(笑)
「でも今日だけはこのまま居させて」
そう言ってさらに強く抱きしめると「わかった。わかったから苦しい」と返される
わかったって言ったよ?
じゃあ平野が明日の朝起きるまではこのまま
『12時になったら離してな?』
…ケチ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!