第31話

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2020/07/08 05:05
side 海人


玄関の前でしゃがみ込んでいると


『はあっはあっ…あれっ…っはぁ…海人?』


えっ…!?

そこには


「幻覚?俺かぐちゃんに会いたすぎて幻覚見てんの?」


『何言ってんの?…っはぁ…やっばぁ疲れた』


息を切らせたかぐちゃんが立ってたんだ


「…っ!」


不意に目頭が熱くなって、じわっと視界が歪む


『ふふっ(笑)おいで海人』


そう言ってくれたかぐちゃんに飛びついた


『うわっ…!』


勢いをつけすぎてグラッと傾いたかぐちゃんを抱きとめて、そのまま"これでもか!"っていうくらいの強さで抱きしめる


『海人?ちょっと苦しい…』


「会いたかった…っ
今日は…来てくれないと思って…っ」


『海人?』


顔を上げると、優しく笑ったかぐちゃん


『私はどんなに忙しくてもメンバーの誕生日は絶対にお祝いするよ?
海人の誕生日に間に合うように超巻いたもん私(笑)』


「スタッフさん達にも協力してもらってねー」と自慢げに話すかぐちゃん


その言葉にまた、じわっと涙が浮かぶ

そんな俺を見て、またギュッと抱きしめてくれたかぐちゃんが何かを思い立ったようにぱっと腕を離した


『あ、そうだ』


「ん?」


『はい。まだ日付変わってないから

お誕生日おめでとう』


「ありがとっ」


『これからも事実上の末っ子でいてね?』


「それはやだなぁ」


『精神年齢的に見たら、多分私の方がお姉ちゃんだよ』


今年はかぐちゃんのお兄ちゃんになれるようにがんばろうかな?

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