あの夢のことも気がかりだけど
何よりも今日はクリスマス!
やっぱりクリスマスは楽しまないと。
私は用意していた服に着替えリビングへと降りる。
すると彼はもう着替え終わっていて私を見るとにこっと微笑んでくれた。
朝ごはんまでしっかりと準備してくれていて
なんだか少し申し訳なく感じた。
微笑んで私の頭をポンポンと撫でてくれる。
朝ごはんを食べ終えると私はあるものを見つけた。
美晴くんのアルバムだ。
私は目を輝かせながら言った。
彼は笑いながら“いいよ”と言ってくれた。
家のアルバムだけでなく、小、中の卒業アルバムもあり私はわくわくしながらそれを取りだした。
小さな美晴くんがポーズをとっている写真だった。
そういえば私この時から美晴くんのこと好きだったな、なんて思い出した。
ちら、と彼の顔を見ると彼は“ん?”と微笑んだ。
そう言って私は苦笑をうかべる。
すると彼は私を抱きしめてくれた。
私は感極まって涙が出てきた。
彼の方に顔を向けると彼との距離が近く、
気づいた時には優しく押し倒された。
そっと優しくくちづけをしてくれる。
涙をそっと指で拭ってくれてまたくちづけをしてくれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!