第59話

恋愛感情で。
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2018/09/09 11:33
〔秀介side〕
秀介
俺…姉貴が好きなんです。
恋愛感情で。
美晴
だろうね。
秀介
はい。…って、ええ!?
あまりにもさらっと受け流すものだから

普通に返事をしてしまった。

この人にはバレてたってことか…

てっきり気づかれていないと思ってた。
秀介
い、いつから気づいてたんですか!
美晴
うーん。最初から?(笑)
最初から…

今まで誰にもバレたことなかったのに…

もしかして俺 わかりやすいのか?

俺は彼に訪ねてみた。
秀介
そんなにわかりやすいですか?
彼が首を横に振る。
美晴
違うよ。俺が人の感情に
敏感なだけ。
秀介
そ、そうなんですか…
俺は彼に驚きだんだん声が小さくなっていった。
秀介
て、いうかいいんですか?
俺 姉貴が好きだって
言ってるんですよ?
美晴
秀介くんの気持ちわかるから。
少し悲しそうに微笑んだ。

俺の気持ちがわかる…?どういうことだ?

俺が悩んだ顔をするとそれを察した彼が言う。
美晴
俺も…姉が好きだったんだ…
恋愛感情で。
秀介
え、
美晴さん…も…?
美晴
君とは違って姉と
血が繋がっているんだけどね。
秀介
そう…なんですか…
まさか彼が俺の気持ちをわかるなんて

自分の姉が好きだったなんて思ってもいなかった。

あまりの驚きで俺は声が出なかった。
秀介
…あ!姉貴待たしすぎてますね。
俺、呼んできます!
美晴
ありがとう。
秀介
いえ、
俺は2階に向かおうとするが、

階段を2,3段上がったところでピタッと止まる。
秀介
あ、あの…
美晴
どうした?
秀介
もし、よければ…
また話聞いてくれますか?
彼は少しおどろいたようだったが、

すぐに笑顔に変わった。
美晴
うん。俺でよければ。
俺は軽く会釈をして2階にあがった。

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