第30話

ごめんなさい
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2018/05/23 11:45
姉の顔には白い布が被せてあった。

父がその布をめくりあげる。

すると姉の白い顔が見える。

その顔を見て今までの姉との思い出を思い出す。

姉をこんな風にしたのは…僕だ。

僕が走り出さなければ。

僕があんなことを言わなければ。

僕が姉を好きにならなければ…
美晴
うぁぁぁぁぁ!!
僕は叫んだ。

なんであんなことしたんだろう。

なんであんなこと言ったんだろう。

僕は後悔した。後悔しても姉は戻らない。

ただ涙がだけが止まらずあふれでた。
美晴
っく、僕のせいだ!
僕がっ…飛び出したから!!
美晴 母(美香)
美晴!落ち着いて!
あなたのせいじゃない!
美晴
じゃあなんで姉ちゃんは
死んだんだよ!僕の身代わりに
なったからでしょ!!
僕が死ねば良かったのに!
パンッ!



父が僕の頬を叩いた。

僕は頬を押さえて父の方をみた。
美晴 父
そんなこと言うもんじゃない!
僕が死ねば良かった?ふざけるな!
晴香はお前に生きて欲しいから
助けたんだろ!?
美晴
父さん…
大地くんが僕の肩をポンと叩く。
大地
おじさんの言う通りだよ。
晴香は本当に美晴くんのこと
大切に思っていたんだよ。
美晴 父
晴香が死んだことは悲しい。辛い。
だがな,お前が無事だったことが
父さんたちはうれしいんだ。
また僕の目からは涙が落ちた。
美晴
うっ、ごめんなさい…
ひっく、姉ちゃんごめんなさい!
母は僕を抱き締めて言う。
美晴 母(美香)
晴香の分まで…
私たちが生きよう。ね?
僕は小さく頷いた。

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