私は体勢を崩し倒れたけど
美晴くんが私を支えてくれた。
美晴くんどうしたんだろう?
いつもと違う…。 なんか…かわいいっ
つい にやけてしまいそう。
でも私は頑張ってそれを抑えた。
部活が始まるまであと…10分くらいかな。
美晴くんが初めて私に甘えてくれた。
だからお願いを聞いてあげたいんだよね。
甘えてくれたことがすごくうれしい
だって美晴くんは…
今までひとりで抱え込んでいただろうから。
美晴くんが私の頬に触れる。
そして彼はクスッと笑う。
私はその笑顔にドキッとした。
まさか…ね(笑)
入谷があんなこと言ったから
つい意識してしまった。
それを思い出すと恥ずかしさで顔が熱くなった。
いやだって…私たちまだキスしたことないしね…(笑)
すると美晴くんがふふっと笑った。
美晴くんの顔が一気に近くなり
私の唇に美晴くんの唇が触れる。
最初は驚いた。だけどとても優しくて
私はスッと目を閉じた。
唇が離れると私はゆっくり目を開けた。
私はそういって自分の顔を手で覆い隠す。
美晴くんは笑った。
私は耳を隠した。
だけど自分の顔を隠せなくなったことに気づいた。
そういって美晴くんはまた私にキスをした。
そしてまた顔を覆い隠した。
美晴くんはそっと私の手をとり言う。
美晴くんは首をこてんと倒した。
それはずるいよ…
捨てられた子犬のような目で見られたら…
美晴くんはゆっくりと私にキスをした。
さっきよりも長めだった。
そして唇が離れると美晴くんはニコッとする。
私はその笑顔に弱くてまたドキッとした。
そしてすぐ立ち上がった。
そういうと美晴くんは手を差し出してくれた。
私は美晴くんの手をとり 立ち上がった。
そして二人で手を繋ぎ入谷のところに向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!