第48話

ごめんね
1,300
2018/07/17 13:03
こんなの…嫌だ…

今まで仲良くできたのに…
あなた

お願い…やめ、

私の顔に温かい滴が落ちる。

私はゆっくりと美晴くんの方をみた。

美晴くんは涙を流していた。

初めて美晴くんの泣いているところを見た。
美晴
…んで
あなた

へ…?

美晴
なんで入谷が…
あなたにキスしたんだよ…
あんな…キス…
あなた

美晴くん…

美晴
ごめん。あなたを
大切にしたかったのに…
こんなことになって…
そう言うと私から離れて起き上がらせてくれた。

美晴くん。すごく辛い顔をしている。

私のことを考えてくれていたんだ。

今 私は自分のことしか考えてなかったのに…
あなた

ごめんね。美晴くん。

美晴
あなたは謝らなくていい!
あなた

だって…美晴くんは私のこと
考えてくれてたのに
私は自分のことばっかりで…

美晴
それはっ…
美晴くんは何かを話そうとしたけど

私はそれを遮って話を続ける。
あなた

でもね…今気づいたの。
私より、美晴くんの方が辛いって。

美晴
そんなことない!
俺と入谷に無理矢理キスされて!
辛いのはあなただろ!
私は首を横に振った。
あなた

私はキスをされたよ?…でもそれは
ファーストキスじゃないし、美晴くんに
上書きしてもらったようなものだし。

美晴
でも、あんな無理矢理な…!
あなた

辛いのは美晴くんだよ。
だって親友が彼女にキスをしたんだよ?
私が美晴くんの立場だったら辛いっ…

私の目から涙がポロポロこぼれ落ちた。

感情があふれでたのかも。

私はギュッと美晴くんを抱き締めた。
あなた

辛いのをわかってあげられなくて
ごめんね。美晴くん。

美晴
ぅ…っく…ん、
美晴くんは私の背中に手をまわす。

そして声を押し殺すように泣いていた。

私はそんな美晴くんをもっと強く抱き締めた。

私は美晴くんから離れないと行動で伝えるように。

プリ小説オーディオドラマ