第37話

親友でありライバル
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2018/06/13 12:22
-美晴side-
彼女がいなくなったことを確認し

俺は入谷に話しかけた。
美晴
大会の話って嘘だろ?
その話は教室で
話し終わってただろ。
入谷はニカッと笑った。
入谷
バレてたんだ。(笑)
当たり前だろ。始めからわかってた。

あなたを見る目が普通と違うし。

だからあなたに帰ってもらった。
美晴
あなたの前では言えない話なんだろ?
入谷
あぁ。
そして入谷は軽く深呼吸をして言う。
入谷
俺…まだ諦められない。
あなたのこと。
……は?

まぁわかってたんだけど。

だから裏の僕が出てくるわけだし?
美晴
お前フラレただろ?
入谷
フラレた。だけどまだ好き。
入谷はスッキリした顔をしていた。

悩んでたのかな。
美晴
でもあなたは俺の彼女だから。
うんうんと入谷は頷いたが、

急に動きがピタッと止まった。

そして不思議そうにこちらを見る。
入谷
…え?今美晴「俺」って言った?
「僕」じゃなくて。
美晴
言ったよ。僕はやめる。
彼女を絶対離さないから。
入谷はにやっとした笑みを浮かべる。
入谷
いいよ。奪いに行くだけだから。
入谷は本気のようだ。

だからと言って俺は…
美晴
絶対渡さない。
これが親友だった俺たちが

ライバルとなった瞬間だった。

こんなことになったせいで彼女を

傷つけるということもまだ知らずに。

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