─放課後
私はくるみに手を振ると美晴くんのところへ向かった。彼は微笑むと手を差し出した。彼の手を取ると私たちは歩き出す。学校内で手を繋ぐことはまだ恥ずかしいけどこんな時間が幸せだなと感じた。
私はうーんと頭を悩ませた。
美晴くんはとても頭がいい。
クラスでトップの成績をとっているらしい。
そんな彼に教えてもらうなんてこの上ない幸せだ。
美晴の家につくといつものように部屋へと向かう。
机にノートと教科書を広げると私は勉強を始めた。が、びっくりするほど数学がわからなかった。
特に前やったやつ。私記憶力いいはずなのに数学の授業は全然覚えてないんだよね。
自分の酷さに私は苦笑した。
全くわからなくなると私は眠くなってしまう。
授業中でもそうだ。
何とか先生にバレることはないけど。
自分ではしっかりと起きて授業受けたいのに、
なんでだろう…。そんなことを考えているうちに私に睡魔が襲ってきた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。