第49話

母さん
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2018/07/19 10:31
あなた

ん、…

ゆっくりと瞼をあける。

目の前には泣いて目を赤く腫らした

美晴くんが すーすーと寝息をたてて寝ている。

あの後私たちは泣きつかれて寝てたみたい。

それも美晴くんは今も私をしっかりと

抱き締めたまま寝ている。

…って、あれ? 今何時だろ…

手元に置いてあったスマホを取り起動してみると…
あなた

19:00!?

あまりの驚きで大声を出してしまい、

慌てて口を自分の手で塞いだ。

どうしよう…というか何時間寝てたの!?

帰らないと…!
美晴
んぅ…あなた…?
あ、叫んでたから起こしちゃったみたい…
あなた

ごめん。私帰るね。
家族が心配してると思うし。

美晴
あぁ。そうだね…
家まで送るよ…
あなた

大丈夫!美晴くん眠いでしょ?
じゃあねっ!

扉を開けて勢いよく飛び出すと誰かにぶつかった。
あなた

あっ、ご、ごめんなさいっ

〇〇
こちらこそごめんなさい。
あれ?この人…もしかして…
美晴
母さん…
やっぱり!?

前に家族写真見たからもしかしてと思ったんだけど

でも…あの写真美晴くんが小学生の時だよね…?

あのときとほとんど変わってない。

すごく美人で美晴くんにも似てる…
美晴 母(美香)
そろそろ起こさないとって思ってね。
あなた

…え!? 私たちが寝てたの
知っていたんですか!?

美晴 母(美香)
ええ。久々に早く帰れたものだから。
早く息子の顔を見ようと思って。
女の子と寝てたからビックリしたわよ
美晴くんのお母さんはそういってくすくす笑った。

その笑顔もやっぱり美晴くんにそっくりで

見とれてしまった。

そうすると美晴くんのお母さんは少し

困ったように私に問いかける。
美晴 母(美香)
えっと…顔になにかついてる…?
あなた

え、あっ、ごめんなさいっ
美晴くんに似てるなぁって思って。

って、いや!そんなことより私!

私は家族水入らずの時間を減らしてるんだった!

挨拶して早く帰らないと…
あなた

あ、あの!挨拶が遅れすみませんでした
美晴くんとお付き合いをさせて
いただいています!あなたと言います!

美晴 母(美香)
はじめまして。美晴の母です。
よろしくね。
美晴
母さん。あなたの家族が心配するから
そろそろ帰らせてあげないと。
美晴 母(美香)
あら。残念。もっと話したかったけど
また来てくださいね。もう暗いし
車で家まで送るわ。
あなた

そ、そんなご迷惑をかけられませんっ

私が慌てて断ると

美晴くんのお母さんは首を横に振る。
美晴 母(美香)
ダメよ。女の子一人じゃ危ないわ。
それに車のなかで話もしたいし🎵
美晴
結局はそれ目当てじゃん…ボソッ
美晴 母(美香)
ん?美晴?なにか言った?
美晴くんのお母さんが笑顔で問いかけると

美晴くんは苦笑いしながら首を振る。
美晴
いや、なんでもないです。
ふたりの会話が面白くて私はふふっと笑う。

美晴くんはゆっくりとベッドを降りた。
美晴
俺も行く。
美晴 母(美香)
美晴はここにいて。
美晴
でも…
美晴くんあんなに泣いてたんだもん…

辛くない訳がないよね。私は美晴くんをとめた。
あなた

美晴くん。今日はゆっくり休んで?

美晴
う、わかった…
母さん。あなたをよろしく。
そして私と美晴くんのお母さんは彼の部屋を出た。

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